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UKの愛され3兄弟、The Cribs特集

 今回は、UKの愛され3兄弟ロックバンド、The Cribsの音楽をまだ聴いたことがないという方へ、入門となるような記事を書いていきたいと思います。

1.The Cribsの魅力とは

 04年にデビュー作を放って以降、熱烈なファンを獲得し、今もなお絶大な支持を受けているUKのロックバンド、The Cribs

3ピースバンドで、メンバーは何と3兄弟!ベーシストのゲイリー・ジャーマンと、ギタリストのライアン・ジャーマンは双子で、ツインボーカル。弟のロス・ジャーマンがドラムを務めています。

 そんなジャーマン3兄弟によるロックサウンドの魅力は何と言っても、荒々しさとキャッチーさが同居した、奇妙で絶妙なバランス感覚。

 お世辞にも上手いとは言えない、荒削りな歌と演奏。だけどその熱量と勢いとポップネスで、リスナーの心をガッチリと掴んできます。

 リバティーンズやアークティック・モンキーズといった、00年代のUKロックシーンを代表する華やかなバンド達と比較すると、ややその影に隠れてしまっていた感は否めませんが、それでも業界内での確固たる評判と、コアなファンによる熱狂的な支持を得て、これまでに8枚のオリジナルアルバムを発表するなど、今もなお精力的な活動を続けている愛されバンド、ザ・クリブス。

 ちなみに、元ザ・スミスのギタリスト、ジョニー・マーが正式加入し4人組になった時期もありましたが、あっさり脱退し元の3ピースに。

 今回は、そんな彼らの作品群を紹介していきたいと思います。

2.プロフィール

 活動拠点:イングランド🏴󠁧󠁢󠁥󠁮󠁧󠁿
 活動期間:2001年〜現在
 ジャンル:インディーロック
      ガレージロック
      ポストパンク

<メンバー> 左から
ゲイリー・ジャーマン(vocal, bass) 双子兄
ロス・ジャーマン(drums) 三男末っ子
ライアン・ジャーマン (vocal, guitar) 双子弟

 ※双子の見分けが本当につかないため、もはや勘です。違ってたらスイマセン(汗)

3.勝手に全アルバム格付け

どのアルバムから聴き進めるかの参考として是非。
 ※あくまで私個人の独断と偏見です。
 ※絶対評価だと全アルバムが"S"か"A"になってしまうため、あくまで相対評価にしています。

 ""評価の1枚目は、最高傑作との呼び声も高い3rd。
『Men's Needs, Women's Needs, Whatever』(2007)

 クリブス史上最もキャッチーなアレンジが施された極上のポップソング集になってます。ソングライティング面においても最高峰と言って差し支えない内容。それでいてクリブス特有の荒削りな勢いも全く失われていません。彼らの出世作。


 ""評価の2枚目は、捨て曲無しの傑作2nd。
『The New Fellas』(2005)

 デビュー作で見せつけた、勢いたっぷりな歌唱とバンドサウンド、飾らないスタイルはそのままに、より鮮烈でキャッチーなメロディとなって更なる進化を遂げた2作目。楽曲のクオリティが格段に上がってます。


 ""評価1枚目は、こちらの6th。
『For All My Sisters』(2015)

 荒々しさが取れ、元々優れていたソングライティング能力が更に爆発的に飛躍を遂げています。キャッチーさとポップセンスが全く衰えていないどころか、より深みを増していることを存分に示した傑作6th。


 ""評価2枚目は、こちらの7th。
『24-7 Rock Star Shit』(2017)

荒々しく激しい、パンク/ハードコアなサウンド。変な捻りは何も無い、シンプルな楽曲構成で真っ向から立ち向かう。これぞクリブス!と賞賛せずにはいられない、ド直球スタイル。そんな中でも、決して勢い任せではなく全曲ソングライティングも優れてる。彼らのキャリアの中でもトップセールスを記録し、健在っぷりを見せつけた7th。


 ""評価の1枚目は、こちらの8th。
『Night Network』(2020)

 目下のところの最新作は、どこかノスタルジックで切ない雰囲気を纏ったポップソング集に仕上がっています。爆発的なエネルギーこそ無いものの、優れた楽曲が揃った堅実な一枚。ここ最近の彼らは、ポップとハードを交互に繰り返す傾向があるのか?ポップさが光る作品です。


 ""評価の2枚目は、こちらの5th。
『In the Belly of the Brazen Bull』(2012)

 前作(4th)からジョニー・マーが参加するも、すぐに脱退し元の3人体制に戻っての5th。ややシリアスで、キャッチーさに欠けるところもあった前作と比べると、従来のポップさ、キャッチーさが戻ってきたという点で好意的な意見が多い本作。個人的には、今ひとつフックの効いた楽曲が足りないなという気がしないでもないですが、それでも一定のクオリティ以上の楽曲を安定して作れている点はやはり流石かなと思います。ただ、全15曲というボリュームは個人的には冗長的かなと。


 ジョニー・マー参加の4thは""評価。
『Ignore The Ignorant』(2009)

 唯一のジョニー・マー参加作品となった4th。過去作と比べると少々ダークで、シリアスな雰囲気がアルバム全体に漂っています。ポップさやキャッチーさはやや減退しているかと。ただ決して楽曲のクオリティが落ちているわけではないですし、洗練された感もあり、これはこれで魅力的です。ただし、クリブス特有のポップネス要素とは最もかけ離れた作品かと思います。


 最後の""評価となったのは、こちらのデビュー作。
『The Cribs』(2004)

 ヨレヨレの歌声と演奏でふらつきながらも、時折ハッとさせられるようなメロディと、あまりにもピュアでキャッチーなギターリフで、一気に駆け抜けるデビュー作。素晴らしい楽曲と、そうでない楽曲の差が激しく、集中力の無さがマイナスポイントかなと。とはいえ、大器の片鱗を示すには十分な内容でしょう。

4.名曲紹介

"Mirror Kissers" (2nd『The New Fellas』収録)
 初期の大名曲。"あの頃"のUKロックを思い出す、ストレートなガレージロックサウンド!

"Moving Pictures" (3rd『Men's Needs, Women's Needs, Whatever』収録)
 彼らの出世作となった3rdの名曲。最高にポップでキャッチー!

5.最後に

 クリブスは、幅広い層の音楽ファンから愛される要素に溢れていると思います。

 繊細さや洗練というキーワードは当てはまらない系統のバンドですが、普段そういう音楽を聴かないという方にも是非聴いてもらいたいです。憎めないキャラクター、雰囲気がお分かり頂けるかと。そして、ポップでキャッチーなんだけど、パンク/ハードコアな要素も持ってるという、奇妙で絶妙なバランス感覚を是非味わって頂きたいと思います。

 最後まで読んで頂きありがとうございました。


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