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第2週「運命のかぐや姫」#O mio Babbino Caro-私のお父さん

NHK連続テレビ小説「エール」第2週8話に登場した曲です。
第8話【音が双浦環の歌声に感激】

ドラマでは、すっかり学芸会で「竹取物語」の主人公、かぐや姫を演じると思っていた幼少期の音はおじいさん2という役柄が与えられ落ち込んでいたところ、父と一緒に琴を演奏する予定だった教会へと急ぎます。教会ではオペラ歌手の双浦環が歌っていました。


双浦環役は柴咲コウさん、綺麗なのはもちろん、さすが歌も素敵ですよね。
すっかり感激して双浦環に直接感想を言うことができた音。


「人間なだけいいじゃない。私なんて初舞台は枯れ木の役だったわ。…将来私みたいになりたい?だったら、どんなことがあっても今日みたいに出番に穴を開けちゃダメ。周りの人に迷惑がかかるから。目の前のことに全力を尽くしなさい。わかった?」


双浦環との出会いが、将来音が歌手になるという夢のきっかけになるのでした。双浦環さんからレコードもプレゼントされていましたね。

レコード盤にはこう書いてありました。
MADAM BUTTERFLY〜One Fine Day〜
Soprano Solo TAMAKAI FUTAURA
Albert Toscani conducting
Metropolitan Festival Orchestra

ドラマでの双浦環は、実在したオペラ歌手三浦環さんがモデルでしょう。
クレジットにSoprano Soloと書いてありますが、ソプラノ歌手ということですね。
また、クレジットのAlbert Toscaniはイタリア出身の指揮者、アルトゥーロ・トスカニーニ(Arturo Toscanini)でしょうね。
また、Metropolitan Festival Orchestraは、メトロポリタン歌劇場管弦楽団(The Metropolitan Opera Orchestra)のことかと思われます。


三浦環さんはメトロポリタン歌劇場に迎えられた最初の日本人歌手でしたし、プッチーニの自宅にも招かれ、また同時期にアメリカで活躍していたトスカニーニとも面識があると思われます。
ドラマ「エール」のこの回は1923年という設定ですので、1922年に日本に帰国し、各地でコンサートを開いたと言います。またレコードも大ヒットし東京だけで8万枚を売り上げたということです。

古関裕而さんの妻となった古関金子さんは1923年当時11歳。実際、幼い頃から三浦環さんは憧れの存在だったそうです。

このレコードは「Madame Butterfly(蝶々夫人)〜One Fine Day〜(ある晴れた日に)」ですが、ドラマの中で歌われたのは、「Madame Butterfly」と同じイタリアの作曲家、プッチーニによる歌劇「ジャンニ・スキッキ」で歌われるアリアから「O mio Babbino Caro(私のお父さん)」という曲です。

中世のフィレンツェを舞台にした喜劇。大富豪一族による遺産相続の争いを成金のジャンニスキッキが狡猾な知恵を働かせますが、その娘と大富豪の息子である若い男女の恋を祝福し、陽気に幕となります。

「O mio Babbino Caro(私のお父さん)」劇中後半のクライマックス、「もしリヌッチョと結婚できないのなら、ポンテ・ベッキオ(古い橋)からアルノ川に身投げするわ!」と、ラウレッタが父親のジャンニ・スキッキに懇願するシーンで歌われます。


イタリアのフィレンツェのポンテ・ベッキオ橋はフィレンツェ最古の橋で有名な観光地の一つですね。
この曲は、オペラの中だけでなく単独でコンサートやリサイタルなどでもよく歌われます。


また、アカデミー受賞映画『眺めのいい部屋』の主題歌や日本映画『異人たちとの夏』でも印象的に使われています。

NHK連続テレビ小説「エール」                  (NHK総合月〜金 朝8:00〜8:15、12:45〜13:00、土曜日は1週間を振り返ります。その他NHK BSプレミアム、NHK BS4Kでもオンエア中です。    *放送予定 3月30日〜9月26日

またNHKオンデマンドでも見逃し放送をご覧になることができます。


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