【緊急更新】モヤモヤが晴れた話

 私は、今も昔もSMILE-UP.所属アーティストのファンです。最推しは今も昔もずっと嵐ですが、複数のグループのオタクといっていいレベルです。先日ファンを一旦卒業することを発表しましたが、実はずっと迷いがありました。そして先日、やっと自分なりの結論を出すことができたんです。
 この文章は、現在もSMILE-UP.に推しが所属しているみなさんに向けてのメッセージのつもりで書きます。私と同じ苦しみと向き合ってきたファン仲間たちが、少しでもポジティブになれることを願って。

 私は数年前からファン卒業について考えてきました。しかしそれはあくまでぼんやりとで、決定的な出来事になったのは元社長のあの事件です。
 あの事件がたくさんのメディアで毎日のように報道されて、所属タレントやそのファンまでもが批判的な意見を投げつけられました。もちろん、私も例外ではありません。特にきつかったものでいうと、いきなりXのDMに「あんな事務所のタレントのファンを名乗るなんて犯罪者も同然だ!」というメッセージが送られてきたことがあります。気にしないようにと思っても限界がありました。「SMILE-UP.アーティストのファン=悪」というような図式が、大多数の人間の中に出来上がっていたように思います。
 私はずっと、元社長のしたことは悪だとこのnoteで書いてきました。でもだからといってタレントたちまで一緒くたに悪とするのは違うでしょ? とも訴えてきました。しかし、そうは言いつつも複雑な気持ちを持っていたのも事実なんです。
 例えばライブのDVDを見ていて、終盤で感極まって号泣しながらメンバーがハグし合う、というシーンがあったとします。今までであれば私も、画面に映っている彼らと同じ感情を共有したような気分になり「美しい」と感動していました。ところがあの事件が公になってからというもの、「こういうシーンを見て美しいと思う俺は、あの元社長と同じような考えだということか?」と変な不安に襲われることがたくさんありました。実際に「男が絡み合っている姿を見て楽しんでいるなんて汚らわしい」というメッセージを受けたこともあります。普段なら全く気にしませんが、いかんせんあんなことがあって少しメンタルをやられつつあったというのもあったのでしょう。でも、私はあることに気づきました。
 あの元社長、及び彼の罪を隠蔽しようとした人たちのことは、私は好きではありません。この事件が公になる前から事務所の経営陣には不信感がありましたし、当事者である元社長にしても、彼に対して特別な感情を持っているわけではありません。
 確かに彼は、私の推しを芸能界に導いてくれ、推しグループを作ってくれました。そのことに対する感謝の気持ちは今でもありますが、それ以上の感情はありません。
 よく考えてみてください。確かにグループを作ってデビューさせたのは彼かもしれません。けれどそれ以降現在に至るまでずっと活動をしてきたのは紛れもなくメンバー自身と各グループについてくださっているスタッフ、そして私たちファンの努力ではないでしょうか? 体制が変わったグループもありますが、グループを抜けていったメンバーにしてもグループを残そうとしたメンバーにしても自分の意思だったはずです。ファンにとっては辛い決断や納得いかないこともあったけれど、少なくとも「彼」の意思でメンバーが脱退したり、グループが解散したことはないと私は思っています。
 それなのにこういう時だけ、彼と所属タレントを一緒くたに扱うのはどうなのかとずっと思っていました。しかし、世論はそうなりつつある。私も肌で感じます。
 ここから先、性的嗜好のことについて少し踏み込んだ内容を書きます。ご不快に思う方もいるかとは思いますが、あくまで個人の意見です。なので批判を受ける覚悟はできています。読む側のみなさんもぜひ覚悟を持って読んでほしいと思います。

「あの事務所にはゲイの人がたくさん所属している」という噂が、ずいぶん前からたくさん囁かれていました。そしてそれはあの元社長の影響ではないかと、あの件をきっかけに噂が加速していったように思います。前述の「男が絡み合っている姿を見て楽しんでいるなんて汚らわしい」という意見はこの噂を鵜呑みにした、タレントたちのことなど全くといっていいほど知らない人たちの意見でしょう。
 しかし私はずっと「極端な話、あの事務所の所属タレントが全員ゲイでも推したい気持ちに変わりはない」と思っているし、ここでもそう発信してきました。なぜなら、少なくとも私はゲイを気持ち悪いものだとは1ミリも思っていないからです(もちろん、他のセクシャルマイノリティに関しても)。
 私が我慢ならないのは、元社長がああいう大罪を犯してしまったことで「ゲイ=悪」というふうに誤解されてしまったことです。この誤解が広まると、所属タレントが全員ゲイ→全員あの元社長のようなことをやりかねない人たち→そんなやつらを応援するファンも気持ち悪い、という流れができてしまいます。これが多くのファンの方が嫌な思いをしてきた原因というか、図式なのでしょう。
 しかし最初に書いたように、ゲイがどうこうというより「彼が異常者だった」というだけの話ではないでしょうか? 100歩譲って彼がゲイだったとしても、ゲイだったということと今回の大罪に直接の関係はないはずです。恋愛対象が男性か女性かというだけでその人の人間性が全て決まるなんてあり得ないんですから。
 多様性の尊重が叫ばれるこの時代、同性愛者であるというだけで謂れのない偏見や差別を向けられるなんてあってはなりません。今の状況は(少なくとも私に向けられた悪意は)そういうものだと思います。
 そしてもうひとつ。もし仮に所属タレントが全員ゲイだったとしましょう。その彼らがステージ上でハグをしたとしても、それは断じて気持ち悪いことではありません。そしてそれを見て「美しい」と感じる私たちの感性も、非難されるようなものでは絶対にないと断言できます。だって感動をハグで分かち合っているシーンが美しいということに、その人の性的嗜好は関係ないから。

 以上のことに思い至った私は、これからも胸を張って彼らのファンでいようと思えました。胸のモヤモヤが晴れました。批判はこれからも受けるでしょう。でもこの考え方があるからダメージは少なくて済むかもしれません。むしろ「この人たちは無知だ」と笑ってやることも出来るかもしれません。さまざまな意見があると思いますが、こういう考えが出来て私はかなり楽になりました。

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