名曲735 「剣の舞」【Khachaturian】

ーーまさしく目に浮かぶ剣の舞。音がそのまま画になるーー

【Khachaturian: Sabre Dance / Ozawa · Berliner Philharmoniker】

Khachaturian: Sabre Dance / Ozawa · Berliner Philharmoniker - YouTube

 クラシックの名曲はどれもこれも特徴が強くて耳に残る。今回の紹介する「剣の舞」は私が中学生のときに感銘を受けた曲だ。

 タイトルだけだとピンとこない方も多いと思うので、ぜひ最初の10秒だけでも聞いてもらいたい。これで聞き覚えのある曲だと認識できるだろう。

 作曲者はハチャトゥリアン。クラシック全盛期よりはるか後期の方で、旧ソビエト出身のアルメニア人。具体的にいつ生まれたか忘れたので調べたところ、1903年とのこと。この方が当時の中学生だった私に強烈なインパクトを与えたのだ。

 いつしかの「ボレロ」に書いたが、私は音楽家の肖像画を見て名前を覚えるのが好きだったのである。その中でハチャトゥリアンはとにかく名前が覚えづらかった。それでなぜか、周りは肖像画なのに、この方だけ鉛筆で描かれた不気味なタッチ(昔の犯人のモンタージュみたいな)で掲載されていたのだ。これが妙に怖くて、当時の友人たちにアレコレ話したのだが、そんなのに興味を持っていたのは私だけだったのか、なかなか相手にされなかったのを覚えている。

 「剣の舞」は剣が乱舞するかのような情景が目に浮かぶ。そして慌てふためくさま、情熱的なさまなどのシーンにおいて現代でもよく使われる強烈な曲調が持ち味。唯一無二の仕上がりといっても過言ではなく、1900年代を代表する存在といってもいいだろう。

 ちなみにこの曲は39歳のときに発表されたという。私も30代になって何か代表作ともいえる傑作を世に出したいものだ。少し勇気が出た。

この記事が参加している募集

#思い出の曲

11,339件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?