(特別企画) 第1回 勝手に音楽大賞 2020 (大賞発表!)
【特別企画】【完全主観&独断偏見で御免なさい】
【大賞発表!】
第1回 勝手に音楽大賞 2020
(My Selfish Music Awards in 2020)
先日勝手ながらブチ上げた「勝手に音楽大賞」。おさらいです。
私の独断と偏見でノミネートされた大賞候補曲は、以下でした。
Gregory Porter “Revival”
The Weeknd “Blinding Lights”
Norah Jones “I’m Alive”
藤井風 “優しさ”
Sam Smith, Demi Lovato “I’m Ready”
J.Y.Park “When We Disco”
Dua Lipa feat. DaBaby “Levitating”
Ariana Grande “Positions”
Eve “廻廻奇譚”
Nijiu “Step and a Step”
ではお待ちかね(?)、大賞を発表します。
And the winner is…
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Eve “廻廻奇譚” !!!
♪お(^O^)め(^。^)で(^O^)と(^o^)う(^。^)♪
…皆さん、予想当たりました?…当たった方、私のこと知り過ぎです笑 曲自体ご存知ない方、ぜひこの機会に触れてみてください。
Eveは、2009年からニコ動で歌を投稿し始め、2014年アルバム発表。徐々に自作曲にも取り組むようになり、2016年にボカロP活動も開始。YouTubeで人気となり、”ドラマツルギー””お気に召すまま”などが話題に。2019年にメジャー・デビューすると、アニメ「どろろ」のEDに採用されるなど(”闇夜”)、タイアップが増えたことで露出度が上がり、注目度も高まりました。いわゆる昨今の売れる音楽傾向をぎっちり詰め込んだ人です。
“廻廻奇譚”は、昨年末から大きな話題になっているTBS系列アニメ「呪術廻戦」の第1期OPになっています(原作は「週刊少年ジャンプ」掲載漫画。現在第2期放送中でOPは違う曲になっています)。この曲の素晴らしい点は、「アニメの世界観を十分咀嚼した上で作り上げた歌詞と疾走感を、売れ線のサウンドに落とし込んだ」に尽きます。
超長くなるのでここでは止めておきますが、アニソンの世界はその系譜の複雑さ、広範な領域に驚きます。昨今のアニメは、直接的にアニメと関係のない歌、かろうじて歌詞の数カ所がアニメを連想させる錯覚を起こす歌がOP/ED/挿入歌に採用されることが多い(特に後者)。これは90年代から続く一定の傾向で、「アニメ云々関係なくカッコいい歌」といえば聞こえはいいですが、アニメを観る上での導入部分としては若干疑問符がつくものでした。
しかしここにきて、LiSAが歌ったTVアニメ「鬼滅の刃」OP”紅蓮華”や映画「鬼滅の刃 無限列車編」主題歌”炎”のように、歌詞とアニメの世界観が強くリンクするような歌が一部で再び増えてきました。歌にとってはアニメを引き摺ってしまう懸念はありますが、歌と映像の結びつきが強くなることで印象に深く残ることも期待され、結果的にアニメ・歌双方を高める可能性が高い。
そんな例をさらに超えたのが、この”廻廻奇譚”。歌詞の「不平等な人生」「闇を祓って」「夜の帳が下りたら合図だ」「呪い呪われた 僕の未来を想像して」「百鬼夜行」「五常を解いて」「何者にも成れない 屍だ嗤えよ」などはアニメをそのまま表したキーワードで、歌詞全体もそういった世界観を非常に大事にしていることが明確に伝わってきます。しかしサウンドや譜割は現代流行りのスピード感、変拍子をガッツリ含んでいる。”紅蓮華”のサウンドはある種典型的なアニソンぽい音の鳴り方(ハードなギター・サウンド)をしていますが、”廻廻奇譚”のイントロのギターは小洒落た軽快なもの。こうしたアニソンと最新音楽トレンドの露骨な融合は、今まで有るようで無かった。
好き・嫌いは分かれると思いますが、曲全体が醸し出す情景がアニメのそれと完全一致している点が大変素晴らしく、現代アニソンの新しい形を作り上げたのでは!?と私勝手に盛り上がってます笑
というわけで熱く語ってしまいましたが、「勝手に音楽大賞」2020年は”廻廻奇譚”。「なんだアニソンか…」と冷ややかに思われそうですが、この曲が成し遂げたことは非常に大きいと思います。色んなジャンルのエンタメにおいて使われる音楽を聴くと、時々意外な発見があるものです。そんな楽しみ方もオススメですよぉ。
お付き合いいただき、ありがとうございました!m(_ _)m
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