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(音楽話)50: The Weeknd “Save Your Tears” (2021)

【ショータイム】

The Weeknd “Save Your Tears” (2021)

日本時間の来週2/8月曜朝、米国で第55回スーパーボウルが開催されます。アメフトのチャンピオン決定戦であり、米国人の多くが熱狂するスポーツ・イベント。今年はタンパベイ・バッカニアーズカンザスシティ・チーフスの対決です。
私、意外にもアメフトも時々観るのですがここでは詳細は省きます、触れたいのはそこじゃないので笑 取り上げたいのは、ハーフタイム・ショーです。

ハーフタイム・ショー出演は音楽家のひとつの名誉であり、絶大なプロモーション効果をもたらします。過去にはThe Rolling StonesMichael JacksonPrinceBeyoncéKaty PerryRed Hot Chili PeppersBruno MarsLady GAGADiana LossTom Petty and the HeartbreakersPaul McCartneyU2MadonnaBruce Springsteen & E St. BandThe WhoMaroon5Janet Jackson等々、錚々たる顔ぶれがショーを担ってきました。時間にして20分弱、近年は単独で出演せずに途中ゲストが出てきてお互いのヒット曲を歌う感じで、昨年はJennifer LopezShakiraと一緒に出てました。

そのショーを今年務めるのはThe Weeknd。以前紹介しましたが、彼は元々ヤクの売人でした。闇の世界にいた彼が暇つぶしでネットにアップした楽曲があっという間に拡散し、瞬く間にスターに。そんな彼の音楽は、現代を象徴する「節操のなさ」「メロディアス」「程よく切り取れるサビ」を全て持ち合わせています。
特定の音楽ジャンルに執着しない音楽性はまさに良い意味で「節操のなさ」を表しているし、楽曲が「メロディアス」で覚えやすい。そしてなによりSNS、特にTikTokやInstagramでのショートムービー形態の動画にフィットしやすい「程よく切り取れるサビ」をしっかり意識しています。
その傾向で大成功したのが、昨年イヤという程流れた”Blinding Lights”。この曲は彼を完全に世界レベルのシンガーに押し上げました。このお陰でAMA(American Music Awards)も獲りましたし、Glammyにもノミネートされています。

Save Your Tears”は今年に入ってからシングル・リリースされた曲。アルバム「After Hours」収録で、実生活の彼女だったBella Hadidと別れたことを直接的に言及した曲と言われています。「俺が君を傷つけた理由を 訊いてくれたらよかったのに」「もう君が俺を好きになることなんて 一生ないだろうね」「涙なんて もうどっかに閉まっといてよ」と、元カノに未練タラタラな歌ですが、前述の通り「節操のなさ」「メロディアス」「程よく切り取れるサビ」を全て網羅してます。ほぼ間違いなくショーで歌うでしょう。
PVでの彼の顔は妙に腫れぼったいし、ストーリー自体狂ってますが、ネガティヴな感情を極端かつデフォルメしてビジュアル表現するのも彼の特徴。こうした分かりやすさも、支持される要因かと。つまり今彼は何をしてもウケる無双状態、敵なし。

そんな人気絶頂な彼が行うショー、しかも通常ショーのコストは主催側が持つのですが彼は700万ドル自腹で追加するんだそう…一体何をするのか?ゲストは?曲は?…ちょっと期待。ちなみに彼が今まで楽曲で共演したことがあるのはDoja CatMalumaRosaliaKendrick LamarLil Uzi VertMajor LazerKenny G…まぁ、全く違うゲストが登場するかもしれませんが。楽しみです。

(紹介する全ての音楽およびその動画の著作権・肖像権等は、各権利所有者に帰属いたします。本note掲載内容はあくまで個人の楽しむ範囲のものであって、それらの権利を侵害することを意図していません)

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