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(音楽話)84: Prince "While My Guitar Gently Weeps" (2004)

【#prince4ever】【pt3: 感謝】

“While My Guitar Gently Weeps” (2004@Rock & Roll Hall of Fame)

Prince。説明はしません。私にとって最大級のヒーロー、永遠の憧れ、音楽的最高到達点です。

彼が亡くなったのは2016年4月21日。今から5年前。なので今週は勝手ながらPrinceで押し通させていただきますm(_ _)m

Prince追悼特集、最後は2004年「Rock & Roll Hall of Fame」、殿堂入りしたGeorge Harrisonを偲んで演奏された”While My Guitar Gently Weeps”、超有名な壮絶ギターソロです。

PrinceにとってのThe Beatles。影響受けまくってます。特に彼のポップな楽曲たちのメロディラインや分かりやすさ、クラシカルな楽器の使用などにそれを見ることができます。
そして彼はきっと、FAB4の中ではGeorge Harrisonが一番のお気に入りだったことは想像に難くない。何故ならPrince、どこかGeorgeに似てるから。基本シニカル、変なコード使い、言動も風変わり、紫好きな男・Prince。そしてGeorgeもまた、似たような男でした(紫好きも含め)。違いは…Princeは超ワーカホリックなエロス求道者、Georgeは超寡作な印度仏法僧、くらいかな笑

2004年「ロックの殿堂」入りしたGeorge(2001年逝去)。死後の栄誉ですが、ステージはTom Petty and the Heartbreakersをベースとしたバンドに、Georgeの息子Dahni (アコギ弾いてる少年。父親そっくり)、Tom(ステージ中央で歌ってるブロンドロン毛)、Jeff Lynne(ステージ下手の子門真人)、Steve Winwood(ハモンドオルガン!)などが並び、”While My Guitar Gently Weeps”を演奏します。
オリジナルに忠実に進み、間奏のClaptonソロはJeffの仲間Marc Mannがほぼ完コピ。そのソロの途中2:10頃、ようやくはっきり映るPrince。実は彼、最初からステージ上手にいます。目立たないように、邪魔しないように、ひっそりと。
そして3:20頃からDahniがキラキラの笑顔でステージ上手を見てます…はい、アウトロとしてのギターソロ、Princeの出番。3:28〜約2分間、弾きまくります。

彼の愛器「Mad Cat」(以下画像="1999"の頃も使ってる)の音色は少し神経質、でも深みがあって艶やか。自在に操る手数の多さ、音の強弱、チョーキングなどが目立ち、テクニックてんこ盛り。後半、ここまで哭けるかというくらい哭きのギターを見せてくれますが、これ、彼的に普通です。本人のライヴだとこの3倍は哭きます笑

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4:44頃には、客席に背を向け、専属お付きに支えさせる形で身体を逸らせながら弾き続けます。はいこれ、彼的に普通です。本人のライヴだとこry)
4:58頃や5:35頃、ニヤッと子どものような微笑を見せるPrince。そりゃそうです、あのステージに一緒にいる人たち、彼にとっては皆ヒーローだらけ。そんなパイセンたちに見守られて「いい?ほんと?もっと弾いちゃっていいの?」とヒャッハーしてるように私には見えます。はいこれ、彼的に超レアです

お分かりのように、Princeは一節も歌ってません。邪魔したくない、でも一緒に演奏したい、かといって演るからには目立ちたい、とはいえ弾くだけで良いので歌うのは遠慮しとくーーー引っ込み思案で人見知り、でも派手好きで注目されたがりな彼ならでは。極めて面倒で屈折してますが、それで良いのです。それがPrince。
最後はギターを投げ捨ててさっさとステージを後に。普段通り、素っ気なく見えますが、まるで「演奏を楽しんだけどシャイだからそれを表に出せないギター少年」のよう。

このパフォーマンスは当時批判が強く、アンチはここぞとばかりに彼をディスりました、「邪魔」「せっかくの演奏が台無しだ」と。そうでしょうか?私は毎回、この映像を観ては泣きそうになります。ステージの全員、目一杯楽しみながら演奏にのめり込み、それが結果的にGeorgeへの追悼になっているのですから。少なくともこの演奏には、Georgeへのリスペクトしか感じられないじゃないですか。そしてGeorgeはきっと「It’s all too much, Prince…」と言いながらニヤニヤしてると思います笑

改めて、哀悼の意を捧げます。
たまらなく愛してます。Princeがいる人生、私は本当に幸せです。
ありがとう。

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