交響曲第6番(Tchaikovsky)
ラテン文字でごめんね.
チャイコフスキーの交響曲でどれが一番好きか聞かれれば間違いなくこの第6番を挙げる.申し訳ないけれど,前半の交響曲の印象はあまりなく,後半の残り2つの交響曲はどちらもパワフルで華やかで好きではあるけれども大好きかと言われればそれほどでもない.
この交響曲はその終楽章の様子からいろいろ言われるけれども,この楽章からあふれる無念や諦念,生のエネルギーを使い果たした様子がとても締め付けられるようで,命懸けで書いたのだろうなと感じられる.
1楽章は心やすらかな穏やかな長調のメロディと焦燥感あふれる短調のメロディの対比が激しく美しい.長調のメロディは穏やかであると同時にその様子を強く強く望んで止まない様子が見える.この平穏よ永遠に….このままずっと….
2楽章は軽快な奇数拍子,5/4拍子の曲.ふわふわと足取り軽い様子が今までの不安から解放してくれます.途中くらい影を落としますが,それも長くは続きません.穏やかな気持ちのまま聞けます.
3楽章.行進曲風です.今までのどの楽章よりも勇ましいでしょう.とても力強く今までのすべてを受け入れ肯定し,前に進んでいく力を感じます.本当に力強い.今までの不安や恐れはどこへ行ったのだろう.無理しているのではないかと感じさせるほどです.最後には運命が思いっきり戸を叩きます.
こういう時はたいてい元の音源を紹介するのがよいのでしょうけれど,最近であったピアノ編曲版がパワフルに訴えかけてきてとても気に入ったので紹介します.まさかこの曲の3楽章で泣きそうになるとは思わなかった.
最後にこの曲は音階に注目すると面白く聴けるかも.
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