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美術が好きになったきっかけ。

自分が絵を描くようになったことも、今でも美術館が好きなことも、中学生の時の先生の影響が大きいように思う。

ちょっと変わった先生だった。その先生のもとで過ごした体験が、私を美術好きにしてくれたのだと思う。

中学に入ってすぐの美術の授業の課題は幻想絵画だった。想像上のものを自由に描いてみようというその課題が、とても楽しかった。手本はシュールレアリズムだっただろうか。古典的なものはそこそこに、わりと新しい作品を頻繁に手本として紹介してくれる先生だった。

幻想絵画では、空想の生き物を描いてもいいし、どこか知らない世界の風景でもよかった。厨二心満タンだった私は、女性が泉の上に浮いて立っている姿を描いた。タイトルをどうしようかと迷って、英和辞典を引いていて、ふと目についたのが「ORACLE」という言葉だった。

ORACLE オラクル。神託。神のお告げ。

意味は深くは理解していなかったが、いいじゃんカッコいいじゃんとタイトルを書いて提出した。先生は、私の絵を笑ったりせずに「君は言葉のチョイスがおもしろいから、言葉と絵の組み合わせを大事にすると良いかもしれないね」そんな風に言ってくれた。


美術部にも入った。決して優秀ではなかったと思うが、それでも楽しく活動してたなと思う。美術部というとサボり部みたいなところもあるけど、割ときちんと活動してた。針金でオブジェを作ったり。Tシャツに絵を描いてみたり。マーブリングで遊んだり。発泡スチロールカッターで立体を作ったり。友達とオタク話しながら、いつも何かを作ってた。あるいは先輩とパソコンで絵を描いて遊んでた。

当時、不安定な家庭環境だったその頃の自分を助けてくれていたのは、きっとあの部活の時間だった。


元気にしているだろうか。あの先生は。大学生の頃にあった時は「君はなんだかインドとかそっちの方の雰囲気になってきたなぁ」と言われたけども(笑)。

今でも眼鏡をかけて、椅子や何かを美術室の後ろで作っているんだろうか。先生の専門は、たぶん絵画とかではなくて彫刻やインスタレーションのようなものだったと思うんだが、今も自分の創作活動はされているのだろうか。調べたらすぐにわかることだけど、なんだかまだ調べられないでいる。






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