椿とアイリス

灰桜 朧雲 徒し野を見下ろしている
隣に広ぐ椿の花園 彼のめ武器を待ち続ける

this song is to grow up him I wait
I belive until the the time comes you
Apart from that I die you most live
singing I pray for your happiness

夕間暮れ 静もる人 しんしんと 空を仰ぐ
こだまする足取りの音 隣合う花片を揺らす

春月を隠し泣き出す空
はじく御影石 轟いた雷鳴
アイリスを手向け俯く影
雨に混ざり零れ落ちる涙

「どうして!何か言ってよ!
顔を上げてよ!ねえ答えてよ!」
声にならない花の感情
胸に張り付く想い
晴れない顔でなぞる冷えた横顔
遠のいていた影
閑静に響く村時雨

「全く彼は本当に人の気も知らないで
せっかく晴れた晴天も君のせいで台無しだ」
それでも時は進んでいく
動けない花を置いて
不安を零してる春花も次の春を待つだろう

落ちて崩れ消えた椿
やがて夏が来て次の開花を待つ
ささやかな秋風 凪ぐ秋季
凍てつく冬を超え何度目かの春に君が

「そうだよ 背筋伸ばして
顔を上げてる 前を見つめてる」
優に安堵し少し寂しい春風そよいだ
「不安にかられ迷って
それでも君はここに来たんだね」
夕街灯照らすひとりとひとつ

片手にアイリスの束
私の好きな青藍色
手向けたあとの静寂
別れの言葉を私に告げる

「君が死んで5年間
何度嘆いて何度涙し
共に笑って共に怒った日を
忘れはしなかった」

柔らかい彼の瞳の奥に
確かな決意を感じる
「それじゃあまたね、椿」

春の訪れを知らせる風が仰いでいる
穏やかな心象に浸かり彼の開花を祝う
満開の椿が風になびく

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