水陰に透過する

俯いて笑った 嘘を吐いた
心にもないような言葉だらけ
愛想笑いも当たり前に
そんな自由を思い出していた

人気のない小道
歌うウグイス
際立つ小川
この全てがもう
私を切り離して
ただ迷う昨日とはさよなら

流れるように溢れるように
私の想いは涼風と消える
本当の言葉を胸の内
に秘めていても
何も変わらないから

冷えるせせらぎに足を浸す
彩やかな音色を流しながら
水面に波紋を起こしていく
白妙の影が近づいてくる

群れの中から弾かれたように
水を掻き分け
拙い意志を伝える君は
私の歩くべき道を照らす

心の中に閉じ込めた想い
「君もそうなの」と呟いてみた
︎︎︎︎しがらみだらけの小さい体で
過去の面影と向かい合う

反論を怖がって
顔色を伺って
この先も隠すのなら
きっと
芽吹かないカルミアだ

空のように透き通るように
心の中も写してみるよ
自分の意思で道を決めて
静かな決意を抱き夢みる

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