夜に呑まれる

4月の終わりを知らせる風が
廊下の窓を叩いている
悪意と嫌気のさす噂話が
僕の鼓膜に響いてくる

机を照らす夕日
1人しか居ない教室で
人を傷つける心情を
君が来るまで考えた

未来が怖くて人妬み
秀でた人を侮辱するのか
黒い波から足を引っ張って
私だけじゃないと安心したいと
理解は出来なくないけど
共感なんて出来ないよ

足音から逃げるように
噂話が静まっていった
扉が開いて君が来た
困った笑顔で僕を呼んでいた
君と教室を後にしたんだ

空が夜に呑まれていく
日の沈みが綺麗なのに
君はそれに気づかない
白線の上を歩いている
下を向く彼女は歌わない

平気なわけないのに平気なフリして
「少しでいいから感動させたい」と
「心の隅っこに残れるように」と
呟いた彼女は歩き続ける
それを快く思わない人がいて
それが彼女を苦しめていた

だから僕は一言伝えた
「君の歌が人を動かすのは
僕自信で証明できている
だから君は歌い続ければ
きっと誰かの元に届くから」

驚いた顔しそのあと笑って
「そうだね」と呟いて歩いた
「今日は夕日が綺麗だね」って
そのことにやっと気づいたみたいだ
夕暮れ空が照らしていた

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