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SAKANAQUARIUM アダプト ONLINE

こんにちは。

眠すぎて一郎さんのインスタライブはだいたい最後まで見れてない魚民です。

SAKANAQUARIUM アダプト ONLINEが開催されました。

演劇×MV×ライブ」をコンセプトに、巨大で(おそらく相当お金がかかっているであろう)斬新なセットを舞台にしたオンラインライブです。

2020年8月のSAKANAQUARIUM 光 ONLINEがとてもよかったので、私だけでなく他の魚民の中でも期待値が上がっていたと思うんです。

ただ、そこはチームサカナクション。期待を余裕で超えてくる良さだったので、セットリストを振り返りながら感想を書きます。

※アーカイブは終了しました。
まだ未視聴のかた!
2/6(日)の23:59までアーカイブを見られます。繰り返し見ることでどんどんすごさが分かってくるので、ぜひ。(そして
サカナクションを倒産から救ってください

※ここからは盛大にネタバレします。ご了承ください。
















災いへの「適応」をトレースした前半

開催前、今回のオンラインライブでは「サカナクションがコロナ禍で巻き起こる現象にどう適応してきたのか」を体現する、という内容の告知がされていました。

その告知の通り、前半のセットリストは、これまでのおよそ2年の間にサカナクションがコロナ禍にアダプト(適応)してきた過程をなぞる形になっています。

「サカナクションが」となってはいるものの、この過程は私たち自身にもほぼそのまま当てはまると思いました。

前半の流れを私なりに解釈してみました。

イントロダクション(multiple exposure
・一郎さんが電話ボックスみたいなセットの中で歌ってます。
「生きづらいから祈った」という歌詞が、ここからの前半を象徴しているようです。
それにしても後ろ向きで落ちていく演出、すごいな。怖かっただろうなぁ。

はじめの冬。コロナ発生(キャラバン
・いきなり降りかかった災い。さっきまで一郎さんが入っていたボックスの中で、女の子が不安そうにする様子が印象的です。未知のものに急に日常が脅かされ、どうしていいか分からない中で不安や閉塞感に押しつぶされそうな感じが表現されてます。

春になった。混乱はいつ終わる?(なんてったって春
日本での初めての緊急事態宣言は2020年の4月だったと記憶してます。なんか大変なことになったな、と思った一方で、こんなにコロナが長期化するとも当時はあんまり考えてなかったです。

また冬が来たけど、事態は収まる気配がない。(スローモーション
・ベンチで女の子が待っていたのは「コロナの収束」の比喩なんじゃないかと思うんですよね。
でも、この年の冬には結局、収束は来なかった。暗い日々は続きます。

ストレスが蓄積される日常(バッハの旋律を夜に聴いたせいです。)。
・ここでの「部屋でテレビばかり見る」という行動は、私たち自身にも重なります。様々な制約によって思い切り遊びに出ることもできず、家で過ごす時間が増えた人も多いはず。

苦しい日々の中の希望(月の椀
・サカナクションにとっての「月」とは何の比喩でしょうか。
コロナ禍で、サカナクションは #夜を乗りこなす というハッシュタグを使って、毎週のように過去のライブ映像作品を配信してくれていました(しかも無料で)。「夜」とは先の見えない日々を、「月」はその中の一縷の希望みたいなものを表しているのかなと。
歌詞にも「朝をじっと待った」というフレーズが出てきます。
苦難の中で、光が差すのを待っているんですね。
「アダプト」「アプライ」のプロジェクトの核となる、重要な1曲。ティザー映像でもイントロが流れてたもんね。

不安・悲しみの爆発(ティーンエイジ
・歌詞としてはここで朝が来るのですが、タワーで座り込む女の子の顔は楽しそうには見えません。そして、後半からは感情を爆発させて何かを拒むような、苦しそうな表情を見せます。
真っ赤に点滅する照明を浴びて叫ぶ女の子。時々見せる真顔が余計怖いです。大学のサークル見学で見た、アングラ系の舞台を思い出しました。
ここでは一郎さんも女の子に合わせてお芝居してるように見えますね。

疲れ、虚無(雑踏
・ここでも、魚図鑑にすら入ってない超レア曲が!
一郎さんは以前、歌詞について「時代や場面を特定させるものにしたくない」みたいなことを語ってました。その分、抽象的な表現が多いですが、その蓄積が今こんな形で生きてくるとは思いもしなかったです。
「見えない明日の欠片を探して」夜を駆け抜けていく、今のタイミングにぴったりな歌詞です。

不安を抱えながらも希望を見据える(目が明く藍色
・1曲の中にたくさんの感情が込められた、起承転結が激しい曲だと思っています。でも、いちばん最後は希望を見つめて終わる、救いのある歌でもあります。前半の最後を飾る曲としてはこれ以外にないでしょう。

おなじみのDJパートを境に、怒涛の後半へ

後半はDJセットでのDocumentaRyを皮切りに、リアルライブでの定番曲・踊らせる曲・人気曲が次々に登場します。プラトーショック!といった新曲も後半でお披露目されました。

以下、個人的にツボだったポイントを書きます。

ついに成仏した『スローモーション』

曲のイメージとかけはなれすぎているシュールなMVを受け入れられない私です。ファンであって、信者ではありません。すべてを肯定的に受け入れると思うことなかれ。

特に1番納得できないのが『スローモーション』であります。詳しくはこちらを読んでください。

今回の、無骨でモードなセット、アダプトタワー。この素晴らしい舞台で、見事にスローモーションは昇華されていました。

なんと!
格好いい、そして美しい映像になっていたのです!!

ありがとう…本当にありがとう…

この映像をMVに差し替えないかい?今からでも遅くないぜ…

というか、スローモーションがセットリストに組み込まれていることに驚きでした。
これまでのライブでもほとんど聴けたことないですからね。

そして、なんてったって春からのつなぎがまた最高でしたね。

『ティーンエイジ』の新しい解釈

スローモーションと同じくらいびっくり且つ嬉しかったのがティーンエイジです。

この曲をあんな演出で持ってくるなんて、全く想像してませんでした。
それまで自分の中でぼんやり抱いていた曲のイメージをすごい方向から裏切られて、今回のライブで1番、鳥肌がたった瞬間かも。

ティーンエイジも今やライブでめったに聴けないですよね。そういう意味でも前半のセットリストはかなり攻めてるしレアです。

嶋田久作の無駄遣い

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情報ライブ「Shock!」のくだりは、前半の重く苦しい感じと打って変わって楽しさが際立つ見どころでした。しかし曲の生まれた経緯はこんな明るくないはずなのにね。こういう形で昇華させちゃうのは一郎さん、さすがです。

Shockダンス、流行る…かなぁ…

忘れられないのでも踊ってくれよ、と期待してましたが見事にカメラさんが抜いてくれました。速度制限マン、サービス精神旺盛すぎて最高w

本編最後『忘れられないの』のメッセージ

本編の最後を飾った、忘れられないの

この曲のリリースはコロナ前です。そもそもメロディーとかMVが大好きでお気に入りの1曲でしたが、歌詞をあまり噛みしめたことって意外となかったんですよね。

そこに、期せずしてこの「アダプト」を締めくくるようなメッセージに聞こえた

つまらない日々も 長い夜も
いつかは思い出になるはずさ

不覚にも涙ぐんでしまいました。

チームサカナクションの皆様。本当にありがとうございます。
そして、お疲れさまでした。

2年ぶりのリアルライブツアー、行きますよ!!!

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