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「ピッチが悪い」は間違っている!?

昨日の記事で、タイの説明をしたときに、下記の文がありましたね。

Ties merge multiple notes of the same pitch.
(タイは複数の同じ高さの音を統合させます。)

この分にも使われている、"pitch" という単語、日本人には要注意。

吹奏楽やオーケストラをしていた人には馴染み深く、「トロンボーン、ピッチが悪い!」などよく聞いたのではないでしょうか。
ですが、ピッチという表現は、英語ではあまり使いません。


pitch(名)… 音高、音程

訳してしまうと一緒ですし、とても微妙な違いで説明するのは難しいのですが、まずは、英語で"pitch"がどんな時に使われているか見ていきましょう。

絶対音感は absolute pitchpitch perfect といいます。

それから、打楽器の分類方法に、マリンバやティンパニなどの音程がある楽器とスネアドラムやシンバルなどの音程がない楽器に分類する方法もありますよね。
この分類の違いもpitchを使って表現します。

pitched percussion instruments … 有音程楽器
unpitched percussion instrument … 無音程楽器

上の意味だと、pitchはちょっと音程の振り幅が大きい気がしてきますよね。

しかし、基準ピッチの時もpitchは使われます。
 standard pitch of A = 440 Hz

off pitchで調子はずれや音痴という意味もあります。

実際、Aの音があまりにも外れていているとき、"Your A is off pitch!"ということもあります。
ただ、イメージはチューナーを見ながら「+20音が高い」等、Aというその音だけを見ていっている感じです。


音楽的な話をするとき、音が外れているといっても、単純じゃありませんよね。
メジャーの和音の3度の音だったら少し低くするとか、純正律ならスケールによって音の高さも少し変わりますよね。

そういう、二人の音程があっていないとか、音程が悪いのが悩みなど、音楽的な話をするときは、基本pitchは使いません。
代わりに使うのが、

intonation(名)… 音程

という単語です。「演奏の際のピッチの正確さ」というイメージがいいのかもしれません。

Watch out your intonation.
(音程に気を付けて)

I have trouble with intonation.
(音程が苦手なんです。)

I want to improve my intonation.
(音程を改善したいんです。)

The intonation was perfect.
(音程は完ぺきだったよ)


勿論、日本の吹奏楽部内ならピッチを使い続けていいと思います。
ですが、海外アーティストのレッスンを受ける時などは、99% intonationを使いますので、大事なアドバイスを聞き間違えないよう、覚えておきましょう。

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