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あのガーッて線引いて描くアート

近頃Youtubeなどでよく見る。ボールペンのような線の細い画材をでたらめに動かし(傍から見ればそうにしか見えない)、色を付けると一気に像が浮かび上がる、もしくは、でたらめに動かしながらも影をつけていく、というアート。

私もやってみてえ。

私の座右の銘は「思い立ったが吉日なら その日以降は全て凶日」である。
早速やってみよう。


ただ、いきなりゼロから始めようというのはいくらなんでも無茶である。実を言うと(そんなに意外でもないが)私は絵が下手だ。

ちゃんと描こうとしたら、こんなことになる。

……まあ、これに関しては描こうとしてるモチーフ自体がかなり酷いのだが。

ともかく、まずはよそ様の絵をお借りして、トレースのようなものをやってみることにした。それに当たり、ノーコピーライトガールさんから以下のフリーイラストを拝借した。

かわいい。すごく可愛い。



アイビスペイントで作業していく。

まずは髪の毛から大まかな形をつくっていく。
……この辺まで髪があって、首のこの部分は影になって……といった具合に。

そしてそのまま全体に線を広げていく。
色を付け、線を調整すれば……

……完成だ。

……なんか、全体的に濃い。右側に影を付けるよう、線を集中させることを意識したのだが、いささかやりすぎたかもしれない。あとは、なんだそのピースは。指が太すぎて訳の分からないことになっているじゃないか(カニか?)。

しかし、幸運なことに女の子には見える(うつしたんだから当たり前と言われればそうだが)。これは嬉しかった。

新しいものに挑戦する時にもっとも必要なのは継続だ。私はよく知っている。そして、このような小さな肯定感は次への動機となる。



ということで、次はお手本無しで、一から書いてみることにした(描きたかった。)。

できたのがこれだ。

カンブリア紀の生物 オパビニアを描いた……つもり。

敢えて色をつけず、黒だけで素朴な勢いを出してみようとした。……素人なのに偉そうなことを言いました。

しかし、個人的にはなかなか悪くないなと思った。ガサツではあるものの、躍動を感じることができる。

実は、さっきの女の子の絵とは描き方を大きく変えている。「輪郭に囚われない」で描こうとした。輪郭をなぞるように描いていると、立体感が出せないと思ったのだ。
自分の掌を見てみると、縦、横、斜め、様々な「線」がもつれて寄りあって構成されていることが分かる。2次元的な外周に取り憑かれた線を引いていては立体にはなり得ないのではないか、と考えた。
そこで、この絵では敢えてぐるぐる円を描いてみたり、思い切りはみ出してみたりと、私が「でたらめ」として見ていたことをやってみたのだ。するとどうだろうか。女の子の絵よりも「形」がよく掴めるように思える。「でたらめ」はでたらめでありながら、完全なでたらめではなかったのかもしれないと思った。確かに線自体はでたらめだ。しかし、その線たちはまだ自分の意味を放棄していないのだ。

私は新たな発見と同時に、線のもつ奥行におののくことになった。


色々やってみたが、やはり絵は努力が露骨に出る。私は最初自分のことを「絵が下手」と言ったが撤回したい。「単純に努力してこなかっただけ」だ。
努力していない私が言うのもおこがましいことだが、何事も最初は上手くいかない。そこからの1歩がもっとも大切である。

一端の絵描きにも満たないただの貧弱な物書きの戯言ではあるが、これを読んで絵を描いてみようかな、と少しでも思ってくれたなら、それが私の物書きとしての一歩になり得るのかもしれない。

結びのことばとしては非常にありきたりなものになってしまうが、皆も一度やってみてはいかがだろうか。

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