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日雇いクビ宣告

誰か代わりに
家賃を払ってくれ

ドーパミン セロトニン
とかの脳内物質が完全に枯渇したんでしょうね 
脳内が事故物件 
事故物件サイトで常にオレの
現在地を表示してくれ 

宇宙に存在する全てのやる気を
無くした結果1週間働かず何もせず
ビールを飲んでダラダラした 
家賃請求の電話が3回掛かってきた
出てないけど 

コレが無職の実態 
何もやる気がなくなったときの
対策として何にもやらないっていうのが
あるんですよ 

脱力する 流れに身を委ねる 抗わない 
そのかわりに朝起きた瞬間にビールを
飲んでしゃきっとする 
無職の鉄則 

労働してると労働する生活に慣れてくる 
労働は全部向こうが決めてくれる 
起きる時間も寝る時間も貰える金も
人間としての価値も 
ただ従ってればいい  

でも労働を辞めると何をすればいいか
わからなくなる 
全部労働に決めてもらってたから 
でも無職から社会人にエールを贈りたい
 毎日8時間労働できるお前なら何でもできる 

「今すぐやれやボケ」

ほとんどの人は普通に生活できてるから
カネが足りてないって事はない 
でも未来の事を考え始めるといくらあっても
足りなくなる 
オレもそうなってきた 
どうしよう 働かな でも働きたくない 

そこで人類最高で
最低の発明インターネットですよ 
インターネットストリートに座り込んで看板を立てよう 
道頓堀にいつも座ってるあのハゲ乞食みたいに 

1週間働けなかったので誰か代わりに
家賃を払ってくれよ 払えてない理由はひとつ 「働きたくなかったから」

社長と無職


日雇い労働で初めて来た印刷工場に居た
性欲強そうで性格悪そうな
全白髪メガネスーツ男がオレに聞いてきた 

どこ住んでんの? 
なんでコイツいきなり家聞いてくんねん 
とか思ったんすけど まあ会話のジャブね 

日雇いで来るような人間なんて本当に
会話も通じないようなマジもんの
ガチキチもいますからね 
会話のキャッチボールチェックね はいはい わしゃ通じるほうでっせ 

毎回ヒエラルキーの底辺叩き出してるクセに
プライドがちょっと高いだけで 

印刷する機械に紙を補充していくのが
今日の仕事 白髪メガネスーツが説明を始める 言われてやってみる すぐにできる 
オレが器用なんじゃない 
すごく簡単ですごく退屈で誰もやりたがらない仕事だから 
だからオレみたいな逆富裕層の人間に
仕事がまわってくる 

この世に退屈が存在する限りオレの
仕事はなくならない 

別の作業してたおばちゃんがスーツ男に
話しかけてきた 

ねー社長今忙しいですよね? 

え お前社長なん? 
社長が直接日雇い労働者に
作業教える事ってあんの? 
社長って無職と共演NGじゃなかったっけ?

 オレ全然社会通ってきてないんで
あんまわかんないんですよね 
教えてくださいよ 
旧社会人の皆さん

日雇いクビ宣告


やっぱり数字が数えれないんですよねオレ
 たぶん病気 

数ヶ月くらい日雇いで
ちょくちょく行ってた印刷工場があって 
結構良い感じにやってたんですよ 
現場の人らになんとな名前も顔も覚えられて
軽く歓迎ムードにはなってたと思うんですよ 

目の前の人の感情って
全く喋ってなかったとしても
全然伝わってたりするんですよね 
態度とか雰囲気で 本人が思ってる3倍くらい

こいつはオレの
事全然どうでもいい人間だと思ってるなとか 会いに来たわりには結構警戒してるなとか 
心開いてなあとか ノリが良いなあとか 
オレがそれを感じ取りやすいのか
みんなも同じくらいソレを感じてるのは
よくわかんないですけど 

話を戻そう

数字が数えれない びっくりするくらい 
誰もがしないような数字のミスをオレは
一日に2、3回した 歓迎ムードが一転 

「ウチは数字が正確じゃなきゃいけない仕事なのでソレができないと雇うのは難しいです」
っていきなり言われて 

おいおい いきなりクビ宣言かよ 
気づいたらクビの皮一枚ですわ 
いやもっと薄い 餃子の皮一枚 
いやチンポの皮1枚 

まだ人生この調子 人に怒られ人生
たぶん死ぬまでこの調子

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