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【ランニング日記】 息子の受験本番、息子の強さと私の弱さ。 【※2023年※1/30(月)〜2/3(金)】

1/30(月)

30日である。入試二日前である。「いまさら緊張してきた!」とか息子が言っているので「いまさら」の使い方がちがう!!とか、返している。もう、なにがなんだかわからない。

結構遅くまで、息子の勉強につきあっていて(まじで、ここ一週間だけ、ほんとうに一週間だけ、急に勉強につきあっている)日々寝不足である。なので毎晩、もう明日はランニングも筋トレも休もうか…と、思いながら、寝る。なのに、起きるとほぼ無意識に、ランニングウェアに着替え始める。もはやこわい。

とはいえ本当に眠いので、起きる時間はいつもよりも少し遅い。むすめの方が先に起きて、朝ごはんを作っている。文字通り這うようにしてベッドを出て、なんとかリビングに出る。空は少し明るくなり始めている。少しずつ、朝が早くなってきた。ここからは一気にぐんと早くなるのだ。私は知っている。だから何という感じですけれどもとりあえず、知っている。

とにかくこの一週間だけ、がっつり息子の受験勉強につきあっているわけですが、考えてみれば私はいつも、定期テストとかも卒論とかも、最後の一週間で別人のようになって仕上げるタイプであった。思い出した。卒論とか最後だけ謎に昼夜逆転して、実家に帰ってこもって書いてたのだけれど、家族とおもいっきりすれ違いの生活をしていた。ほんと、今急に思い出した。とにかく、それを思い出すくらいには今、息子とラストスパートをかけているということである。息子は「この受験勉強の期間野中で今が一番きつい」と言っている。いや、言っていることはわかるが、みんなはそれを夏休みとか冬休みに経験しているのだよ・・・エンジンかかるのがさすがに遅すぎるのだよ・・・さすが私の息子・・・・・・・

とか考えながら今日は6キロ走ったんですけれども、寒かったからか考えることがありすぎたからか、久々にキロ5分31秒というタイムで走りきった。精神的にかなり緊張感あるわけですけれども、そういうときにこうやって何かしらパフォーマンスが上がったりするから人間っておもしろいですね。いやもう、おもしろがっている余裕はぜんぜんないんですけどね。

1/31(火)

昨日は22時半くらいまで、目のはたらきとカメラのはたらきの比較について、私の(28万円かけた修理から返ってきた)ライカを使って息子とあれこれ勉強した。なんか、この一週間だけやたら勉強に付き合ったおかげで、この一週間だけやたら理科の知識が増えた・・・。しかし、学ぶというのは基本的には楽しいことだね、久々にその感覚を思い出した。知識は、人生を豊かにしてくれる。同じものを見たときにも、楽しみの奥深さがか変わってくる。たぶん、勉強の本質的な意味はそういうところにある。

私は中学受験なんてものは全く経験してこなかったし、通らなかった道なので、とにかく息子の勉強は塾にまるっとおまかせしてきた。私にはぜったいに理解できないだろうと思ったからだ。でもこの一週間、息子と、特に理科と社会を一緒に勉強して、ああなるほど、こういうのやったなあとか、ああそういうことか、と、大人の今だからわかることとか腑に落ちることが結構あって、なかなかおもしろかった。最後の最後だけだったけど、一緒に勉強できて楽しかったよ、ありがとう息子。

2/1(水)

息子受験の当日。午前校でお弁当が必要だったので、4時半に起きて、この受験最後のお弁当を作る。今日は息子の希望をとにかくつめこんだ。チャーハンと、ファミマの冷凍しゅうまい!とのことだったので心をこめて作りました。(しゅうまいはチンしました。)

本当は30分だけでも走ろうかと思っていたのだけれど、さすがに余裕がなくなり、走らずに息子と一緒に家を出た。でもジムは行っておきたくて、受験の待ち時間のあいだに、近くのジムを探してトレーニングしました。息子の合格を祈願しながら。

なんとなーーく、自己採点してみると、第一志望はかかかかかなり…厳しそうである。息子の得意の算数が今年はめちゃくちゃ簡単だったようで、それにしては、息子は全くと言っていいほどできていなかった。息子の場合、難しい年でも簡単な年でも得点があまり変わらないので、難しい年の方が有利なのだ。でももう、こればっかりは仕方がない。「簡単な年に得点できる」というのは努力の結果なので、息子よりも努力した子がたくさんたくさんいたということだ。

でもそれ一つとっても、息子がここから学ぶことはきっとたくさんある。何度も息子に言い続けたけれど、村上くんがすごいのは、生まれつきのものすごい才能があったことはもちろんだけれど、それを伸ばし続けたことこそにある。おごらず、人一倍の才能があるにも関わらず、人の何倍も努力をし続けた。そこに村上くんの本当のすごさがある。持って生まれたものは運だけれど、それを生かすかどうかは結局、本人次第なのだ。

もちろん、みんなが村上くんになる必要はない。ものすごい才能を持って生まれたけれど、しんどい思いをして努力を続けるくらいなら、それなりでいいから穏やかな日々を送りたいと願う人だっているだろう。そういうのは生き方の話なので、他人にどうこう言ったり強要したりできるものではない。

だけどチャレンジすることを選んだのなら、できればその才能を伸ばす楽しさを知ってほしいと思う。息子はそれを、つかみかけたんじゃないかな、と、思っている。これから先の人生はまだまだ長い。息子がこの受験で掴みかけたなにかを見失うことなく、またこの長いJourneyで本当の意味で、掴み取ってくれたらいいなと思う。ここから先は、息子の手で。

さて、あまりに高い壁に挑戦した息子を見ていたら、私だってチャレンジを続けよう、と、そう思った。失敗することを、恐れずに。

2/3(金)

受験はなかなかに厳しく、体力的に、そして精神的に、疲れている。明日も、そしてあさってもこれが続くのかと思うと、これはけっこう、ハードである。だけどこれより大きな疲れともどかしさを息子は抱えながら、それでもあの小さな体で受け止めようと必死になりながら、とにかく立ちあがって試験会場に向かっている。ヤクルトの16連敗を思い出す。あのときも選手たちはそれでも立って歩いて球場に入ってきた。とにかくバットを振り続けた。間違いなくしんどいときだったけれど、それは数年後、花開いたのだ。

走るのも、ジムも今日は気が乗らず、受験校近くの喫茶店で朝食セットを食べながら、仕事をした。受験というのは、親のなんというか弱さや慢心みたいなものまであぶり出してくれる。私は39歳にしていまさら、こういう弱さや保身みたいなものと改めて向き合っている。だけど、息子はそれを、たった12歳で乗り越えようとしている。あんなに小さかったのに。ただただかわいい子供だったのに。この状況と向き合って、一人で乗り切ろうとしている。

今日、なかなかにハードな状況の中で、第二志望の学校に一人で入っていく息子を見ていたら、最初の受験の日に見送ったときとはまた違う感情で胸がいっぱいになり、必死に涙をこらえた。

私はこのことを、忘れちゃいけないな、と思う。息子が、戦ったことを。この状況と対峙して、逃げずに試験会場に今日だってまた入っていったことを。

息子はしっかりしていて、自分のことは自分のことは自分でできるし、朝ごはんもお昼ごはんも時には夜ごはんだって自分で作って食べてくれる子で、一人でどこへでも行けて、きちんと帰ってこられて、そして優しくて明るくて家族思いでねこ思いの子だ。でも、どれだけ強く見えてもまだまだたったの12歳。それを私はもっと、わかってあげなきゃいけないな、と思う。

気分転換に、少し離れたドンキまで歩いて、鬼の被り物を買った。そういえば今日は、節分だ。ここ数日、ゆっくり夜ごはんを食べる余裕もなかったけど、今日は子どもたちと豆まきをすることにしよう。

ここからできることを、考えていこう。まだまだ続いていく息子の人生を、それでも私ができることは残りもうあと少しなのだから、もっと真剣に、向き合っていこう。そして、めいっぱい、めいっぱい愛していこう。愛することを、恐れずにいよう。間違いなく、私にとってとてもとても、大切な人なのだから。

※1年後の私より

この日までなかなか厳しい戦いが続いていて私もハードモードでしたが(なんか日記はもっとダークモードだったけれどもこれでもちょっと調整した)、この日の第二志望の受験のあと、息子と二人でバインミーを買って、そして翌日の試験の過去問をコピーしながら帰り、息子はすっかり切り替えて過去問を解き、そして子どもたちと笑って豆まきをした。それでちょっと吹っ切れて、息子はまた翌日の受験に向かっていった。一人で会場に入っていく息子が、もうとっても大きく見えたことを覚えている。

そして結局、この日記を書いた2/3に受けた第二志望の学校に合格し、息子は今そこに通っている。(そして相変わらず全く勉強をしない。)私はほんとうにまったく至らぬ母だったけれど、息子はこの経験を通してほんとうに成長したなあと思う。そして、なんといっても毎日ほんとうに、楽しそうに学校に通っている。良き友達にも会え、私もまた新たな出会いもあり、楽しく過ごしている。挑戦することって、大事だな、と、学びました。というか、一年たって改めて、そのことを思い出しました。ありがとう息子。あとありがとうランニング日記。というか、一年後にアップしようとする私。

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