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プロの「オフ」が、共感を呼ぶ 【11/24ファン感謝DAY】

雨は上がり、気温も上がり始めていた。昨日の雨予報がうそみたいに。それだけでもう、私はうれしくなってしまう。

「無理しない」をテーマに掲げた(振り返ると掲げていたような気がする、後付けだけど)2019年を象徴するかのように、ファン感当日、起きたらすでに、ファン感が始まる時間であった。(単なる前日の飲みすぎである)

一方むすめは、ファン感を何かフォーマルなパーティーと勘違いしているのかなんなのか、上下を黒とネイビーでまとめ、白いタイツを履き、「まま、これつーけーて♡」と、寝起きの私にコットンパールのネックレスを手渡してくる。

いやまあ、わからなくはない。久々の神宮なのだ。気持ちは高まる。私だってそうだ。ちょっと寝坊しただけだ。ちょっとだけ。

神宮外苑のいちょう並木は、すっかり秋色に色づいていた。美しい季節だなあ、と、毎年ファン感に来るたびに思う。考えてみれば私はほぼ、春と夏の神宮しか知らないのだ。この季節のいちょう並木と、そして人出は、なんだか新鮮に思える。

球場へ着くと、選手たちはもうみんな入場した後だった。ああそうだ、この大好きな場所に、大好きな人たちがいる、この景色だ、としみじみ思う。

今年は内野席の抽選にことごとく外れたので(!)、外野指定席にのんびり座って、豆粒みたいな選手たちを眺めていた。ついこの前の、松山のあの牧歌的とすら言える空気とは打って変わって、たくさんの人が、神宮に集まっていた。

これだけの人を動かせる野球というコンテンツって、すごいよなあ、と、改めて思う。

それは、選手たちがただひたすら「勝つ」ことだけを目標に、来る日も来る日も戦い続ける、その姿を見るからだ。

ものすごい技術と才能を持つ「プロ」が、それでも現状に甘んじることなく戦い続ける姿に、私たちは熱狂し、そこに足を運ぶ。

そこではものすごい額のお金と人が動く。あらゆるものを動かす力を持つ。もちろん、人の心も動かしていく。てっぱちは四億を稼ぐ。

だけどオフのこの日、神宮に集う選手たちは、あの日の真剣な表情とは違い、みんなにこにこ笑っている。アメリカンな帽子をかぶり、徹子に扮し、パッションになりきり、はっちゃけている。その選手の様子を、他の選手たちが、笑いながら見ている。まるで、私たちのように。

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そのオフにだけ見せる姿に、私はなんだかとても嬉しくなる。

プロ野球選手なんて、当たり前だけれど雲の上の存在だ。私には一ミクロンもその才能はない。年俸よんおくえんの生活は想像もつかない。10万円のパーカーはもう少しサイズを合わせてあげたいけれど。

でも、そんな選手たちの「オフ」が垣間見れる瞬間、少しだけ、身近な部分を感じた瞬間、ああ、同じなんだな、と思う。

選手たちもきっと、同じように、迷ったり悩んだり、笑ったりはっちゃけたり、お酒を飲んだり、合コンしたりするのだ。合コンしたりするのだ。二回言ったけど。

そういう「同じ」を見るとまた、私も頑張ろう、と思う。この人たちはプロなのだけど、すごい人たちだけど、「頑張る」レベルは全然違うけど、でもこの人たちも、いろいろ悩みながら迷いながら合コンしながら頑張っているのだから、自分も頑張ろう、と思える。そこには、「共感」がちゃんとある。

これだけSNSで繋がる時代だ。「共感」の度合いは昔よりぐんと大きくなっているのだろうと思う。例えば不完全なところだって、それはそれで、人間らしくていいな、と、私は思う。そういう共有と共感で、私はまた、このチームを好きになる。

シーズンが始まればまた、いろんなことが待っているのだろう。目の前のサヨナラに、また泣くのだろう。(って言うと本当にそうなるからもう言いたくもないけども!)

でも、ヤクルトたちも頑張っているのだから、頑張ろう。と、きっとまた、私は思う。そうして泣いたり笑ったりしながら、このチームを応援していく。シーズンを待ちわびる思いがまた少し、強くなる。

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