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【オフシーズン観戦エッセイ】 強いことより、丈夫なこと。

開幕前とか、もちろんシーズン中とか、一番、ああ…、と思うのは、怪我のニュースをみたときだ。毎年キャンプ中に誰かしらが離脱してしまうわけだけれど、今年は田口の離脱を見て「ああ…」と思い、そして奥川くんの離脱のニュースを見て「ああああああああああ…」と、思った。ああああああ…。

いや、もう、怪我というのは仕方がない。仕方がないけれども、今年はそこかーー!!みたいな人が離脱すると、そのたびに、そう、「今年はそこかーーーー!!!」と、思いながら、落ち込む。まあまあ、落ち込む。

でもなんというかこう、ルーキーの時から大切に大切に育ててきて、そしてその結果優勝に大きく貢献し、でもその翌年に怪我で離脱し、なかなか一軍のマウンドに上がれなかった奥川くんが、ようやく一軍キャンプに戻ってきて、よし今年こそは、と、思っている中で「怪我で離脱」のニュースを見ると、なんでや・・・なんでや・・・という思いはさらに、強くなる。なんというか、切ない。とても、切ない。

いろんな思いがある。そしていろんな思いをいろんな人が抱えている。だけど、奥川くん本人のもどかしさはどれほどのものだろう、と思う。

私はここのところ強く強く思うのだけれど、プロにとって、というか仕事人にとって、一番大事なのはたぶん、心身の丈夫さだと思う。強さ、とまでは言わない。特に心は「強く」ある必要はそんなにないんじゃないか、と最近思う。強くいようとすると、折れることもあると思うから。だけど、丈夫であること、は大事だと思う。丈夫であるくらいには、心も体もやっぱり鍛えておくことって大切だと思う。

でもその、「丈夫であるために鍛えること」には、知識がいる。そして知識を培うためには、経験が必要だ。だからどうしても、若い人にはそれが難しくなる部分があると思う。当然、ベテランよりも「何もしなくても体が強い」ことが逆に働いてしまうこともあると思う。

自分が20代前半の頃を振り返ってみると、まあ、お世辞にも健康的とは言えない生活をしていた。学生時代は初めての一人暮らしで栄養はとらないわ毎日みたいに夜遊びするわでまあ、ひどかった。社会人になったらなったで、マスコミの洗礼で毎日終電帰りだったり(いやなんなら終電逃したり)、ひっどい飲み会で潰れたり、まあ、やっぱりひどかった。でも、それでもなんとかなったし、多少無理しながらも元気に生きていた。だから、心身を丈夫にするために鍛えよう、なんて考えには、なかなか至らなかった。そしてこのままじゃ良くないな、と思っても、だからと言ってどうすれば良いのかもよくわからなかった。自分にとって何がベストなのか、自分の体に合った食事や運動が何なのかなんて、まじでまったく1ミリもわからなかった。

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