ローコスト住宅の落とし穴
本日は以前、私に住宅を購入する時のお金・予算のご相談を頂いた時の話です。住宅、家を買うのは大きな金額ですので、現金で買えることはほぼあり得ません。つまり、住宅ローンを買うのと同じ意味になります。
その住宅ローンを計画のために別のファイナンシャルプランナー(FP)に相談をしても、回答がしっくりとこなかったので私にセカンドオピニオンとして相談がありました。
ローンを借りて購入を検討している物件は、郊外の住宅地で車が2台駐車できるスペースがある家でローコスト住宅と呼ばれるような相場より安い物件でした。
その物件や住宅ローンのマネープランを私が見た時に気になったのが、その相談に来たご夫婦(30代前半)が購入を検討している家に「何年住むことができるか?」の視点がありませんでした。
よくある話でローコスト住宅は安いのが魅力的に映りますが、築後30~40年程度で家が古く(経年劣化)なってきてしまい、フルリノベーションをするか、建て替えることを検討せざるを得ないことも多く聞いています。
家は建築の方法で家の寿命が大きく変わります。相談者は永住するつもりとのことでしたが、その場合「30~40年後に建て替えに近いようなコストが必要にならないか?」の視点はとても大切になります。もし必要であるのなら住宅に対するコストが大きく変わってしまうからです。
建て替えはしないまでも外壁の修繕や塗装の費用や水回りのリフォームも建築の方法や住環境で異なってきます。住環境というのは、暑さ寒さ、湿気などが住む地域によって違います。
キャッシュフロー表を確認すると将来の修繕やリフォームのコストが入っていませんでした。「70歳までに住宅ローンを払い終えて、そこからは支払いが楽になります」という説明があったとのことでした。
先ほど説明したように家を買うのは、そんなに単純で簡単な話ではありません。大規模なリフォームをするかもしれないので下手したら家を2回購入するくらいのお金が必要になるかもしれません。
もちろん支払うお金が安く済むことに越したことはないのですが、購入する金額だけで足りない可能性もあります。例えば、70歳の時に建て替えになって、建て替えの資金数千万円が用意できるかです。老後の生活に入っていて、定職に就いていない可能性もあり、その場合は新たにローンを組むのも難しいです。年齢から考えて大病をしていてそもそも払っていけるのかということも考えておくべきです。
目先が安いからと言って購入の値段だけで物件を選ぶと後々大変になることもありますので、「安物買いの銭失い」にならないように修繕やリフォームの頻度などから予算も鑑みて物件を決めることをお勧めします。
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