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卵円孔早期閉鎖についてわかりやすく解説 〜③むしゃ美(長女)の場合〜

この記事では
卵円孔早期閉鎖らんえんこうそうきへいさ」について

なるべくわかりやすく解説しています。

私の娘、むしゃ美は
お腹の中にいる時から
この「卵円孔早期閉鎖らんえんこうそうきへいさ
という心臓の病気がありました。

あまりない病気であるからこそ
情報が少ない状態なので

同じ疾患の子を持つ親がいらっしゃったら
力になりたい。

そのような気持ちで書きます。

(むしゃ子(筆者)は作業療法士
むしゃ夫(筆者の夫)は診療放射線技師。
二人で一生懸命まとめました。

書き手が医療職であるからこそ、読者様にとって
かなり難しく感じるかもしれません。

また、2人とも医療職とはいえ専門外の分野なので、もしかしたら認識に相違があるかもしれません。その点はご了承ください。)



記事は3つに分かれてます。

今回は
③むしゃ美の場合についてです。


破水後、初めてエコーで確認された

在胎週数35週にて自宅で破水。

かかりつけの診療所では
「37週以降ではないと出産が難しい」ため
受け入れてもらえる総合病院へ

むしゃ子(むしゃ美の母)は
救急搬送されました。

病院に着いて少し時間が経った頃
エコー(超音波)検査を受けました。

その際、
普段ならすぐに終わる印象のエコー検査が

主治医の先生がもう一人の先生を呼ばれ
丁寧に時間をかけて
見てくださっていました。


そして順調であることを軽く説明された後に

別の部屋で
何やら先生同士で話をされていました。


この時に初めて、
卵円孔早期閉鎖らんえんこうそうきへいさ」が
確認されていたのではないかと
私は思っています。


そしてその日の夜中

在胎週数35週、2550gにて出生。


出生後は様々な問題が発生

まず、出生直後は呼吸障害がありました。

アプガースコアは

1分3点、5分5点、10分5点で
重症新生児仮死状態でした。

アプガースコアとは
出生直後の新生児の状態を評価し、新生児仮死の有無を判断するためのスケール。
「皮膚の色」「心拍数」「反応性(啼泣)」「活動性(筋緊張)」「呼吸」の5つの評価項目がある。
それぞれ0〜2点の3段階に点数をつけ、その合計が10〜7点を正常、6〜4点を軽症仮死、3〜0点を重症仮死とする。

さらに、むしゃ美は
低酸素、肺高血圧症の状態があり

肺への血液を送ることが
難しい状態であったため、


・高濃度酸素の人工呼吸器管理

※ 酸素は
肺につながる動脈を拡げる効果があります
人工呼吸器によって呼吸のサポートを行います。

・一酸化窒素吸入

※肺にある肺細動脈はいさいどうみゃく
と呼ばれる血管を拡げることで
肺の血流量を増加させることが目的。

ホースが太くなると
水をたくさん流せるようになるイメージ。

・昇圧薬

※ 全身の血圧を上げることで
脳に血液と酸素を送ることが目的

などの治療が開始されるとともに

その日中に大学病院に転院になりました。


心臓が上手く発達していなかったことによる影響が大きかった

卵円孔らんえんこう
早い段階から閉じていたことにより

むしゃ美の心臓の
左の心房・心室も
発達不良な状態でした。

また、これにより
肺高血圧症となっていました。

さらに動脈管どうみゃくかんが開いており

通常なら自然と閉じていくのが
早産の場合はゆっくり閉じていく
もしくは閉じていかない現象がある
とのことでした。


むしゃ美の場合は
完全に閉じることなく
3ヶ月に手術をすることになりました。

むしゃ美は
全身の血液の循環が不安定で

その結果
・脳や肺が出血する恐れがあること
・人工呼吸器の管理に伴い、気胸ききょうを起こす可能性があること
・新生児仮死の影響で脳へのダメージにより
けいれんを起こす可能性があること

大きく分けてこの3つの問題が立ちはだかりました


しかし、むしゃ美は
病院で高度な治療を受けることができた
おかげで

上記のような様々な苦難を
何とか乗り越えました。


そして、生後13日目に
面会で会えたときには呼吸器が外されて

元気に泣いていました。
NICUの部屋全体に響き渡るように。


手厚い治療が受けられたことに感謝

こんな手厚い治療を受けられたのも
すぐに大学病院に転院できたのも

全ては35週で破水たために近医で診れず
たまたまNICUを持つ総合病院に
搬送されたおかげ。


今振り返っても
奇跡の連続だったなと思います。


もしむしゃ美に興味を持ってくださった方は、
こちらもご覧下さい。


総まとめ

今回むしゃ美が生まれて
卵円孔早期閉鎖らんえんこうそうきへいさ
という診断がくだりました。

この病気を診断された赤ちゃんの数が
限られていることからあまり情報がなかったこと

今後診断された赤ちゃんが生まれる場合に
参考になればと思い

記事にすることにしました。

記事は3つに分けてまとめました。

なるべくわかりやすく
噛み砕いて説明しているつもりです。

しかし、
読んでくださっている方にとったら

時々難しい用語が出てきてしまって、
理解に困ったかもしれませんが、
ご了承ください。

以上です!
最後まで読んでいただき
ありがとうございました!

参考文献

・病気がみえる vol.2 循環器 第3版 2010  萩原誠久、松村譲兒ほか MEDIC MEDIA社

・病気がみえる vol.10 産科 第2版 2009 井上裕美、竹内正人ほか MEDIC MEDIA社

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