音楽に浸って、光に溺れ、言葉に救われた。
今日は早起きだった。昨晩食べ過ぎてしまってちょっと内臓が疲れている感覚があった。それでも食事をして、着替えて、支度をして、忘れ物がないか確認して、家を出た。
過去の知り合いに会って、急だったからそっけない対応をしてしまった。でも最後に、頑張ってください、と言えたから良かったかもしれない。
それから友人と待ち合わせをして、ふたりで待ちくたびれて、その時まで感動を待った。数時間でも話をしていればちゃんと過ぎていった。
空いた時間で歩いて、軽食を摂った。
そして、時間になった。音楽に浸って、光に溺れていた。彼の声はしっかり届いた。気持ちが掴めないのは当たり前だ。だって形がないから。それでも、少しでも伝えるために、伝え合うために集まったんだろう。
今はただ手の上で踊らされるだけだけどここから巻き返すからちゃんと見てろと覚悟した時も、彼女の好きなものが自分に染み込んできた時も、離れてしまうけど新しい場所でも君でいてほしいと思った時も、別れてしまうけど新しい場所では君でいてほしいと思った時も、全部思い出した。
曲は記憶に結びつくから困るよ。
あの映画を観に行った人とはそれきり会っていないことも、大切な人と見たドラマのことも、いろいろ思い出してしまった。
忘れていないことを思い出してしまった。
良い歌は、聴く人の生活に馴染む歌だと思う。同じ経験じゃなくても同じ感覚にさせてくれる歌だと思う。彼らの曲は全部、何気ない日々に潜り込んでくる。
もう面倒臭いから向こう行ってよ、と思う生活が少しだけ愛おしくなる。そして、こんな日々でも良いのかもしれないとほんの少しだけ肯定できる気がする。
帰り道、思い切った連絡をしてみたら、前向きな返事が来たから嬉しかった。
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