思えばずっと、分からない生活を続けている。

今朝、9時のアラームを何度も止めた記憶はある。それなのに、口の中に髪の毛が入った違和感で目覚めたのは昼過ぎだった。半日も眠るなんて絶対寝過ぎている。でもまだ眠かった。

昼過ぎにご飯を食べた。好きなミュージシャンが、好きな音楽を語ったり、小さな人形で遊んだりする動画を笑いながら見ていた。

それから着替えて外に出た。蜂が飛んでいる奥では、分解された車の部品が並べられている光景を眺めていた。

ベンチに座っても、小さな虫が闊歩してきて居場所はなかった。蟻のようだけど見たことがない虫がたくさんいる場所で、その虫を追い払おうと息を吹きかけた。でも足が多いからか、全然吹き飛ばない。ここは自分たちの場所だから陣地を取るな、と言われているみたいだった。

ちょっとだけ進行を止めて、決意したようにまたこちらへ歩み寄ってくる。仕方ないので早めに帰ることにした。

帰宅して風呂へ。リンスとコンディショナーの違いなんて知らないなぁと思いながら、コンディショナーと書かれた箱にコンディショナーと書かれた液体を流し込む。液体と呼べるのかも曖昧な、ヨーグルトのような緩さの液体は本当にコンディショナーなのかどうかも分からない。

何も分からないまま、詰め替え容器に残ったコンディショナーを髪に塗りたくって流した。

頭だけじゃなくて、手も顔も体も、液体を泡立てて、塗って、伸ばして、洗い流している。何かを付けて、何か見えない変化が起きている。それらをしなければ体は汚れていくだろうし、毎日していれば清潔を保てる。

不思議だ。今日は、不思議、という曲を聴いていたけれど、人との繋がりよりも、自分の意味不明な行動や思考のほうが不思議だ。

何も分からないのに信じて、何も分からないのに疑っている。

他人だってそうだ。真意なんて分からないのに信じて、勝手に裏切られて、また疑ってしまう。変だな。変なのに関わっているのは変だ。それでもみんな生きているから面白い。

夜はギターを弾いて、ドラマを見た。やりたかったことも少しだけ出来そうだった。良い日だった。


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