きっとみんなそうやって生きてる。

今日は朝、目が覚めたのに二度寝してしまって昼だった。昼から少し自転車に乗って買い物をした。

食料を買わなければ、とここ数日思っていたのに、行ったら行ったで具体的に買いたいものは少なかった。

帰って、空いた時間で文字を書いて、アニメを見た。それからごはんをかきこんで、また家を出た。

電車に乗って違う街へ。自動販売機でジュースを買う車椅子の人の横を通り過ぎた。自動販売機は段差の上にあって、使いにくそうだった。

声をかけるか迷っていたらその人は買い終えていた。手を伸ばせば届くいちばん下の段から選んだジュースを手にとっていた。選択肢を広げる手助けが出来たかもしれないのに、しなかった。迷っていたから出来なかった。

でも目的地まで歩く間考えていた。自動販売機でジュースを買うというのは、お金を入れて、ボタンを押して、出てきたジュースとお釣りを取って終わりじゃない。お釣りを財布に入れて、缶の蓋を開けて飲むところまでがジュースを買うことだと思った。

それなら自分に出来ることはまだ残っていた。自分でやりたいなら断るだろうし、声を掛けるくらいすれば良かった。

今日は予約の時間がいつもと違ったから、電車から目的地まで歩いても少し余る時間があった。それは声を掛けるための時間だったような気がしてしまう。

周りから見て良い人でありたい、ではなくて、彼の選択肢を広げてあげたい、だった。今日は素直にそう思っていたのに、出来なかった。

たまには違うものから選びたいし、たまには違う人と話したい。もしかしたら、ただ自分がそう思っていたのかもしれない。

用事も終わり、帰宅して、連絡を返す。質問をしたり、妥協をし合ったりしながら、なんとか折り合いを付けた。

そして、明日は早起きだから今日はもう寝たいという気持ちを引きずりながら洗濯を干して、食事をして、夜になって眠れないと焦りながら寝るんだろう。


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