デパート・百貨店に対する嫉妬心 ー鶴田総一郎「博物館学総論」/佐竹義輔「博物館学各論(科学博物館)」

 博物館学の本なぞをパラパラめくっていると、デパートや百貨店に対する嫉妬心、羨望がみられることがある。

例えば、

「商業広告・天然色トーキー・広告塔・デパート商業・民間放送・テレビ等は大衆をお客様として扱い、到れり尽せり、下にもおかぬ応待ぶりでその興味をそらさずにひきつけて行くたくましさをもっている。これに共通してみられるのは、たとえ目的が利潤追求であるにしろ見事な人格尊重ぶり」

鶴田総一郎「博物館学総論」日本博物館協会編『博物館学入門』1956

デパートはなにしろ資本を持っているし、人を集める魅力を持っている。そしてこの頃では、金さえ出せば学者でもなんでも一応の協力はするから、変則ではあるが、デパートが社会教育の一部を担っている。本来の博物館では、第一に資金がなく、そして施設・設備の点でも遠くデパートにおされているところがある。

佐竹義輔「博物館学各論(科学博物館)」日本博物館協会編『博物館学入門』1956

 こうしてみると、デパートのいいところを学び、かたやデパートとは違うところ(差異化)を図ろうとしたのかなぁと思う。

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