法解釈の態度について―『解説教育六法』はしがきから

大学で生涯学習概論について教えはするものの、教育基本法、社会教育法、博物館法は見ても、その「解釈」が十分ではなかった。すみません。

裁判例検索をつかって、博物館に関連するどのような判例があったのかはチェックしたことがあるが、主に著作権関連のことが多くて、社会教育とは何か~とか、来館者の不利益とはなんぞや~みたいなことはわからない。

で、ようやく図書館で『解説 教育六法2020令和2年度版』を手に入れてみた。

はしがきからチェック。

「教育における法律主義」を採用している日本では、教育政策や行政も教育関係法規に基づいて実施されています。その解釈・運用のおおもとは、日本国憲法であり、教育を権利としてとらえていることです。そして、憲法、教育基本法、子どもの権利条約等といった教育政策・行政を方向づけている基本的な法規範との整合的な解釈・運用が求められます。

うん。そう、その解釈な、困っていてん。判例があるのはともかく、そうでないのはどうしたらいいの?

法律の具体化には解釈が必要です。

うん。それで?

現実には行政実例や通達の形をとる行政解釈が第一次的に通用する解釈になっていますが、法的には判例を通じての裁判所の解釈(=司法解釈)も重要ですし、また、教育法学界の研究者などを中心とした教育法的解釈もあります。

なるほどね。研究者による解釈もあるよね。

故・有倉遼吉初代編修代表が書き記したように(本書巻末に所収)、教育法的解釈が「正しいものであるとしても、直ちに通用するものではない。しかし、それゆえに正しい解釈の探求を断念することは、国民の中の教育とその法を研究する者」などが「とるべき態度ではない」のです。

解説教育六法編修委員会『解説 教育六法2020令和2年度版』

巻末をみると、1970年に書かれたもので、行政解釈のみが正しいという態度ではいけない、きちんと研究者によって批判していく態度が必要という内容が書かれていた。なるほどね。

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