非来館者へのリーチ ―アーツ・ディベートの調査から

 アーツ・ディベートによれば、芸術に無関心である人が1/4、そして、そのなかには「排除されている感覚」を持つ人もあるという。

 これがスポーツならば、無関心である人は同じ数だけ存在しても、「排除されている感覚」を持つ人は少ないのではないか。人生のなかでスポーツ経験がある程度培われていることと、スポーツはすることはできなくても見て楽しむことができるからである。ある程度、そこで何が行われていているのかは理解できているのではないか。

 博物館の場合は、文化的に「排除されている感覚」を持つ人が存在しているのではないかと想像される。人生のなかで博物館経験が少ないこと。博物館は見ることで楽しむというイメージが先行し、他の利用価値はなかなか想像されにくいからかも知れない。そこで何が行われているのかあまり理解されないまま、疎外感を抱いている人がいると思う。

 こうした非来館者の調査に加えて、何らかのアクションが必要だと感じていた。この若者によるピア・プログラムのように、我々(博物館側)だけではリーチできない層に到達するための仕組みをつくってみたい。



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