MINAMATAの二つの展示 ー平井京之介「運動する博物館 : 水俣病歴史考証館の対抗的実践」
高校の現代文の教科書にロバート・スコールズ「読みのプロトコル」が掲載されていて、そのなかにW・ユージン・スミスの「入浴中のトモコ」という写真が登場する。
水俣で撮られた有名な写真であるが、ユージン・スミスは「ロマンティックなもの」として表現する。それをロバート・スコールズは「ピエタ像」というコードで読み解く。
撮影されている内容は入浴する母子であるが、それにどのような意味をつけるか、それをどのように読み解くのかというイメージをめぐる問題がそこにある。
博物館もイメージ(モノ)にどのような意味を託すのか、という問題は再三問われてきた。そのなかでも、水俣病をめぐる二つのミュージアムを比較したこの論考は大変面白い。
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