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天皇の誕生日と政治への目覚め

僕は2001年生まれだ。天皇一党に愛子という雑な名前の女がいる。彼女も2001年生まれだ。
つまり、僕と彼女は同じ学年ということになる。

僕は小さい頃からNHKが好きだった。教育テレビや昼のニュースを見るのが幼稚園や小学校低学年の時の楽しみだった。小さな僕にとってNHKは垣間見える「大人の世界」であり、「憧れの世界」だった。

ある日のことである。いつものようにお昼にご飯を食べながらNHKの昼のニュースを見ていた。
「愛子"様"、〇〇才のお誕生日です。愛子様は小学校に通われ〜」というようなニュースが流れた。
僕は驚いた。テレビの世界では、小泉純一郎がカリスマ的な演説を振るっていた。スーツの大人たちが忙しなく動いていた。
なのに、このよくわからん同い年の女は、よくわからん称号の男の娘というだけの理由で、憧れの存在らと肩を並べ、しかも"様"付けで誕生日を祝われている。誰もニュースで、小泉純一郎や竹中平蔵、日銀総裁の誕生日を祝わないのにもかかわらずに、だ。

許せない。と思った。なんなんだこの女は。なんの努力もなしに、憧れの大人たちと並んでいる。
NHKのアナウンサーに名前を読み上げれている。
この僕は幼稚園で月ごとにまとめられてしか、祝われていないというのに。

親に怒りをぶつけた。
「この天皇ってやつはなんで偉いんだ?」
「何故この娘は様付けでNHKに出ているのか?」
しかし親には、「そういうものだ」「お前も様付けで呼んでほしいのか?」と言われた。
「じゃあどうすれば天皇より偉くなれるんだ?」
そう親に訪ねた。
「そうだなぁ…総理大臣なら天皇より偉いんじゃないか?民主主義国家だし。いまだと小泉純一郎だな。」

僕は、小泉純一郎を意識してニュースを見るようになった。コイツは天皇より凄いのだ。かならずコイツのような天皇より凄い存在になってやる。そう思った。

今ふと思い返すと、この経験が僕の政治への関心の原体験であり、反権威、反権力的な思想の根源であったように思う。
「天皇はムカつく野郎だ。」
天皇の誕生日と聞く度にこの体験を思い出す。

2023/2/23、天皇誕生日によせて。



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