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<2011年アメブロ編序幕⑭>

8月の「亀治郎の会」は、今月の大阪松竹座でかかった博奕十王でした。亀治郎さん初役でした。また、ロビーでは物販が展開され、グッズの豊富さに驚きました。翌年に四代目猿之助となったため、亀治郎としてラストの自主公演になりました。


7月29日 博奕十王

「第九回亀治郎の会」のお知らせを観て思わず笑顔。何とも亀治郎さんらしいチラシではないですか。演目「博奕十王(ばくちじゅうおう)」のイメージ。スロットと博奕打。

この演目は、昭和45年に三代目猿之助さんが創作し誕生しました。冥土での博打打と閻魔様とのやりとりが面白く展開するそうです。

記事を読むと、猿之助さんから「亀治郎の会」でやってほしいと話をし、亀治郎さんが是非とお答えしたそうです。今回、手直しを加えた台本が届き、新たに生まれ変わった博奕十王となるようです。曲もテンポがよいそうですので、亀治郎さんがどのように魅せてくれるか楽しみです。

人生是博奕也

信長の言葉が芯となっているとか。

亀治郎さんは、三代目猿之助さんの芸を自然と引き寄せ、今自分をクロスさせているように見えます。

三代目を知ってらっしゃる方が亀治郎さんにその姿を重ねるように。。私は、知らない猿之助さんの姿を亀治郎さんのから感じています。

第9回亀治郎の会パンフレットより


8月21日 「第九回亀治郎の会」前編

国立劇場大劇場で行われた「第九回亀治郎の会」千穐楽です。昨年は5時間くらいだったのに対して今年は2時間半。でも満足度は越えました。

時間より10分早く開場!

亀治郎の会

グッズの充実ぶりが前回以上でした。コンパクトなハードカバーがおなじののパンフレット1500円。Tシャツ、浴衣の生地、ポストカード、カレンダー、手ぬぐい等々。直筆サインやメッセージが入った限定パンフやポスター!ちなみに限定パンフは5000円でした。亀治郎の会ならではですね。

直筆入り手ぬぐいは、昼の部で完売したため、夜の部の前に亀治郎さんが急遽書いて売り出したとか。また、A3用紙以上あるポートレート(額入り写真)は、2万円や3万円で売られていて終演の頃には完売!販売スタッフの方たち声を嗄らして頑張ってました。

お着物率が高くて、どこにいても亀治郎話。あ~みんな楽しみにしていたのだな。。と感動でした。もちろん、私も一年前から楽しみでした。

今年の会は純粋に傾いたという印象です。昨日のNHK、バレエダンサーの熊川哲也さんとの対談で亀治郎さんは「有り難い」「生かされている」という言葉を使っていました。そして死ぬ前にすべてのものに感謝して死にたいというようなことも言っていました。私はその言葉たちにすごく感動しました。

亀治郎さんは東日本大震災を地下鉄で体験なさいました。その経験で亀治郎さんも考え方が180度変わったそうです。

席に着きパンフレットを開くと「今日、このとき、舞台に立つことが出来ることを深く、深く、心から感謝しています。市川亀治郎」とありました。

私が持つ過去のパンフレットには無かった表現。昨日のインタビューといい、今日の舞台といい、少し違う亀治郎さんに会えました。一人一人に想いを伝え、そして楽しんでいってほしい。そんな気持ちをいつもより感じた会でした。

途中、ハプニングもありましたが皆さんさすがプロ!お芝居、盛り上がりました~様子はまたのちほど。。


8月22日 「第九回亀治郎の会」後編

亀治郎さんは亀会を10回で会を終了すると公言しているので来年がラストです。今回は千穐楽に行ったのに2階席に空席が目立ち少し残念でした。

でも、大向こうさんが多かった!!歌舞伎座さよなら公演並みの声の重なり具合!これには気分が盛り上がりました。ありがとうございます!

「芦屋道満大内鑑(あしやどうまんおおうちかがみ) 葛の葉」初めて拝見する演目でした。’葛の葉’は’葛の葉狐’という伝説の白狐のことだそう。5月明治座で狐の子を演じた亀治郎さんが、今度は狐で妻となります。

白狐は命を助けてもらった恩に報いるために、助けてもらった阿部保名の想い人’葛の葉姫’に姿を変えて保名の妻になり子をもうけます。

その子が、後の陰陽師’安倍晴明’です。安倍晴明は知っているので、「おー!なるほど」という感じ。

そして、保名に正体がばれて、白狐は姿を消すことを決意します。子別れの場面が見所です。とても神秘的で素敵なお話だと思いました。

妻の正体が白狐だとわかっても保名は受け入れるのです。出て行った妻に対して、その気持ちを叫ぶシーンはすごくキュンとしました。演じていた門之助さん素敵でした。

白狐、妻葛の葉の亀治郎さんからは愛情を感じました。何だか凄くあたたかかった。派手でなく、落ち着きには安定感があり、保名との生活が幸せなんだとじわじわ感じます。

本物の’葛の葉姫’と二役で早替り!!ひさしぶり亀治郎さんのお姫様姿でテンション上がります!早替りは本当に早い。お客様は待ってました!という雰囲気です。亀治郎さんの狐の雰囲気を入れた一つ一つの形が綺麗でした。

’曲書き’と言われるシーンは凄いですね。障子4枚に、筆で歌を書いていきます!

初めは普通に右手、その後、子供がぐずるので抱えながら左手、ラストは口で筆をくわえて’葛の葉’と。。役者さんは何でもできてしまう。とてもダイナミックで達筆な書でした。凄い!

スッポンから登場しての引っ込みは亀治郎ワールドでした。たっぷり魅せてくださり、保名が追いかけてきてくれたのが嬉しそう。しっとりした流れの中に緩急ついていてとても見応えがありました。葵太夫の浄瑠璃が心に染みました。感謝。

「博奕十王(ばくちじゅうおう)」とってもとっても楽しかったです!!本公演で亀治郎さんに踊ってほしい♪

役者さん以外の舞台上全員の額に幽霊がつけている白い三角をしているのが面白い。全員地獄に堕ちてしまった人たちなのか(笑)

亀治郎さんの立役の踊りの中で一番好きでした。安定感安心感、サービス精神、粋な感じ。何より、本人がまた楽しそう。振り付けも面白くて亀治郎さんらしかったです。凄いことをさらっとしちゃう。

そして終始笑顔!花道でお客にお花あげてたな。

閻魔大王の亀鶴さん、獄卒の弘太郎さん猿四郎さんとの意気もピッタリ!亀鶴さんの博奕がやめられなくなっていく様は面白いです。

途中、カツラが取れてしまうハプニングがあり、亀治郎さんも爆笑。長唄の方たちも堪えられず笑ってましたけど、手が止まらないのは、当たり前ですが凄いです。もっと凄いのは、その後に床山さんらしき人が白い三角をつけて(笑)さりげなく亀鶴さんのカツラを直していたこと!チームワークですね。

大きいサイコロをまわす時の後見さんの差し金さばきや、その効果音、すべてが一体。お客さんとも呼吸が合ってくるのがわかります。すっごく面白かったです。

ラスト、花道は極楽へ通じる道となる。

笑顔で始まり笑顔で終わったのが印象的でした。拍手が止まず、カーテンコールがありました!各階の端から端まで順番に目線をおくり感謝を伝えていました。今年もすごくパワーをいただきました!ありがとうございます。来年も楽しみです!


aya


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