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進化する演出

とても珍しい夢を見ました。
そういう時はすぐに夢の意味を調べます。グロテスクだったのに吉夢で安心(笑)ちょっぴり嬉しい朝でした。

さて、まだまだ話したい「四の切」のこと。
猿之助さんの四の切は、すぐに観たい!とならないのが不思議です。またいつかかかるという安心感ではありません。とても心が満たされるのです。余韻を大事にしたいというか。ふとした時に幸せがじわっとくるのです。

猿之助さんは年齢を言われたくないと思うけど。。現在46歳。初めて四の切の狐忠信を観た時から、動きの印象が変わっていません!歌舞伎役者さんの身体能力は本当にすごい。というか澤瀉屋のDNAってどうなってるの?というくらい血がすごい。先代は猛優と言われていたほど。

でも初演から10年以上です。動きが変わっていないように見えている。。ということだと思う。今まではケレンに目がいっていたのが、語弊があるかもしれないけど、芝居がものすごく面白かったのです。いろいろなものがそぎ落とされ、シンプルになった分、子狐の心情がバッと前に出てきた感じです。

両親の皮が張られた鼓から離れる決心をする去り際の可愛いこと!これは今までで一番キュンとしました。そこから義経にもう一度呼び出され登場してからの喜びの表現の愛らしさ。そこからどんどん盛り上げていく様子が巧みだけど自然で、こちらも嬉しくなる。劇場がピンク色みたいな(笑)

荒法師の場面の立廻りが長くなったような気がしてます。動きが変化して華やかになったと思います。猿之助さんが一発で法師の背中に飛び乗るのが初演と変わっていないと思うのですが。。まだまだいけそうです。きっと荒法師さん方は信頼度バツグンな皆様で固めてあると思う。

この場面がやたら幸せ感があるのですよね。私だけでしょうか。荒法師さん方はとても激しい動きで大変かと。でも、おかげでとっても楽しいです。コミカルなところも好き。

子狐の喜びの延長にその場面があり、クライマックスの宙乗りへ。
で、気づいたら前半終わりで雪洞をもって登場した皆様も、荒法師とともに舞台にいるではないですか!舞台上は大人数(笑)これは今までなかったのでびっくりして感動しました。

確かいつもは義経と静御前だけが宙乗りを見送っていて、ラストまでいなかった記憶です。なのに大勢で宙乗りを観てる(笑)

澤瀉屋の猿三郎さんのblogにタネ明しがありました。これは新演出で、出演者の皆様も舞台から四の切の宙乗りを観るのは初めてだそう。

知らなかったので初日は大興奮でした。猿之助さんが鳥屋に入って何秒か後に定式幕が閉まったので、私はふたたび舞台を観て、出演者の皆様に拍手を送ることができたのです。絵的には紅白歌合戦の終わる瞬間の舞台のイメージ(笑)

これって初めての経験でした!

猿之助さんのこういう幸福感あふれる演出が大好きです。
ご自身で作る作品はいつも希望や幸せに満ちているのです。

だから私はずっと心があたたかいまま。

新しい演出も最高でした。
これは生で体験をして感じてください。


aya



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