劇団暁2days 前編
先週末に再び劇団暁を観に行ってきました。
川越湯遊ランドの小江戸座です。
温泉施設内にある劇場なので、入館料2000円を支払うとお風呂も大衆演劇も楽しめちゃいます。しかも昼夜の公演を1度の入館料で観ることができる信じられないシステムです。
大衆演劇を観始めてチケット代が安すぎるのではないかと心配になってます。私が観劇した劇団は、料金以上に大満足なお芝居とショーを見せてくれています。
料金も含めて「大衆演劇らしさ」なのかもしれません。個人的には、時代とともに変わってもいいのではないかと思うのですが。。私にはまだまだわからないことだらけです。
役者さんの「お客を楽しませたい」という熱量は歌舞伎も大衆演劇も同じです。
私は楽しい芝居を観たい。笑ったり感動したり。。心が動く芝居が観たい。それは歌舞伎だからとか、大衆演劇だからとか。。こだわっていません。
暁の土日の芝居は楽しかったです。なんと昼夜に違うお芝居をかけていたので、4つの芝居を観ることができました。大衆演劇は毎日外題が違う。前日の夜にお稽古をして、寝て起きたら本番。その繰り返しらしいです。
歌舞伎と同じ演目をすることもあります。歌舞伎を知っていると違いも楽しめます。自由に観ていきたいです。
まずは1日目、土曜日のお話から聞いてください。大衆演劇には筋書や詳しい配役の記載されたものがありませんので覚書です。広い心でお読みください。
この日は、恋川純弥さんがゲストに来ると知り、観に行きました。もともと三咲大樹副座長の「大樹祭り」でした。大樹さんをたくさん楽しめる日。ファンにはたまらない日です。
大樹さんのことは、今まで何回か拝見していますが、主役をしているのはおそらく初めて観ました。
昼「喧嘩屋五郎兵衛」は侠客物です。五郎兵衛の顔には幼い頃に負ったひどい火傷の痕があります。持ち込まれた縁談話が間違いだったと知り、もともとコンプレックスがあった五郎兵衛の心がさらに傷ついてしまう。そこから悲劇に向かって進んでいきます。
心が複雑なお役を大樹さんが熱演でした。こんなに心打たれるとは思わず。とても魅力的なお芝居をする方です。引き込まれました。
その兄、朝比奈が純弥さんでした。弟の火傷の原因が自分だと話をする場面は心が痛かった。そして、弟の狂気を大きな愛で包んでいるのが切なかった。どこまでも味方。この愛をもってしても幸せが叶わないラストが苦しかったです。
大衆演劇はお芝居の音楽がBGMです。私はスーパー歌舞伎などで慣れているので、やはり曲と芝居のタイミングが合うと「きた!」とテンションあがります。純弥さんはさすがでした。
二人だけでなく、座長の暁人さんの芝居も好きです。命をかけて破談を知らせに行くシーンもよかった。
そうそう、この日は大衆演劇初参戦の高岩芯泰君19才がいました。お父様が平成ライダーで、普段は映像などでアクションをしているとか。初々しくてよかった。違うジャンルから来てコラボするのは楽しい。立廻りで鬘を飛ばしてしまったけど、観ているほうも「あるある」なので全く気にならず面白かったです。
夜「泣き虫兄弟烏」も大衆演劇ではお馴染みのよう。
渡世人の兄弟を昼に続き、純弥さんと大樹さんが演じました。弟(大樹さん)は堅気になって許嫁と一緒になるため故郷へ帰ります。
1年後、弟が荒れているという噂を聞き、兄(純弥さん)も故郷へ帰ります。実は、弟の許嫁には別に好きな男の人がいました。弟は博奕に明け暮れ、許嫁にも当たり散らしています。
荒れているわけを知って弟を想う兄。そこに、許嫁の好きな男が襲われピンチに。兄弟が助けに向かいます。そして、助け出し、許嫁とその男を一緒にさせてやり、兄弟はまた旅に出ます。
口上でお話があったのですが、今回は純弥さんがこの日のためにオリジナルを再編!?して、立廻りも付けたとか。だから私が観たのはもともとの物語と少し違うかもしれません。
本来の筋より大詰の立廻りがたっぷりあったようです。私は激しい立ち廻りが大好物。とってもエキサイティングでした。舞台が小さめな分、いろんなことがギリギリでスリルあります。大樹さんが敵役と闘います。
特に好きだったのが、花道を使った1人 対 複数。めちゃくちゃかっこいい。立廻りが速いし、大樹さんに華がある。このシーンはもう一度観たいくらい全員のチームワークもいい。ワクワクしました。
大樹さんは昼に続き切ない役どころでした。でもこちらは兄が救ってくれる。悲しいけど一緒に旅に出てくれる。
兄の純弥さんは、誰よりも弟の味方で、何か訳があるはずだと信じてる。そんな温かさに癒されました。
純弥さんのお芝居を観ていて思うのですが、時代の香りがすると思うのです。昔、三津五郎さんが「自分たちの世代が江戸の匂いを感じさせる最後の世代かもしれない」というようなことを言っていました。
三津五郎さんも江戸を生きているわけではありません(笑)でも継がれてきた匂いイメージできる最後の世代。。という意味なのかなと思って話を聞いていました。
感覚ですが、着物の着方、佇まい、所作、話し方。。お若いですが、純弥さんには時代物の匂いを感じます。猿之助さんの世話物もそうでした。「荒川の佐吉」なんて最高でしたし、喜多さんもそうでした。
話が逸れました(笑)
ラスト、お面を使って旅立ちを表現するシーンが印象的でした。心は悲しいのに、ひょっとこの面とは対照的で。切ない余韻でした。
1時間ぴったりで終演したのもすごかったです。大衆演劇のお芝居は1時間超えが多いと思っています。このくらいだと舞踊ショーも元気で乗り越えられます(笑)
仲間とワイワイ幕間を過ごし舞踊ショーです。撮影OKで、暁さんは全てSNSもOKです。
副座長の三咲大樹さん。
女方も美しいです。
純弥さんの写真は、猿ゆか仲間撮影です。
♪五木の子守唄 +リンゴ追分
この劇場は花道の幅が太い(笑)そしてお客が近いです。
♪へのへのもへじ
澤瀉屋の傘は存在感ありました。
猿ゆかのご縁が嬉しいです。
友人に教えてもらい、かかっている曲がその場で検索できるアプリを入れました。お陰で曲名を知ることができるようになりました。
暁人座長と純弥さんの愛舞踊。
昼↑と夜↓のギャップがすごいです。
この近さはたまりません。
暁人さんの女方も好き。この後に二着、早替りをしたのはかなり驚きました。大衆演劇で初めてみたかも。スピードありました!
もちろん女優さんもいます。
三咲愛羅さん。笑顔が可愛いし、お芝居も上手いです。
三咲隼人さんの身体能力はいつも驚かされます。
お芝居が想像以上に面白かったので長文になってしまいました。すごく楽しかったです。
翌日も仲間と劇場へ。そのお話は次回に。
aya
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