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八月納涼歌舞伎 第三部 弥次喜多流離譚

昨日、約一週間ぶりに第三部「弥次喜多流離譚(やじきたリターンズ)」を観てきました。普段からお芝居は生物で、一期一会だと思っていますが、弥次喜多はそれを実感させてもらえます。明日もまた違うことが起こるのだろうな。

猿之助さん幸四郎さんのボケとツッコミは自由自在。幸四郎さんの真面目なおふざけが増え、それにツッコむ猿之助さんとか、猿之助さんのボヤキにツッコんだけどバッサリ相手にされない幸四郎さんとか。弥次喜多シリーズで二人のやり取りをずっと見てきたけど、ますます夫婦のような阿吽の呼吸になってます。

一週間経ち全体が進化していました。演出がちょっぴり変わった場所もあり、もたっと感じた箇所がスッキリした印象。それぞれのキャラが立ちはじめ、役者さん方の力が抜けてより面白くなっていました。弾けてきた感じです(笑)

それがお客に伝わるからか、初日よりいろんなところで自然とウケて笑い声が絶えませんでした。一階席はほぼ満席で男性も多く、ワクワクした空気感で嬉しかったです。

私、染五郎くん團子くんの心意気に感動しています。もっと猿之助さん幸四郎さんに活躍してほしいと初日は思いました。今回演じるオリビア&お夏が、より可愛くなったのに驚いたのです。そして、もともとのお役、梵太郎&政之助と交互に登場する早替り。それが一週間で速くなってた!

前回の弥次喜多で幸四郎さん猿之助さんが、同じような二役怒涛の早替りをしたのですが、まさにあの場面を10代の二人がしているのです。しかもその場面は二回やってきます。普通の興行で若手がこれをやることはほぼ無いでしょう。愛ですね。もちろん40代の二人のほうが速いですけど!

それを技術だけでなく、気持ちでチャレンジしているのが伝わるのです。それはお芝居全体で感じます。今までのおじさん達の後ろにいた印象から、今は弥次喜多を引っ張っていくのだという心意気を感じます。本当に頼もしい。團子くんなんて、去り際に’早替り行ってきまーす’という余韻を残してるのが面白いです。

まだまだ猿之助さんに前面に出てほしいので、ちょっぴり寂しいことではありますけど。二人は本当に大きくなりました。まさに希望ですね。

また、大滝の本水のシーンが派手になっていました!初日は、水量はすごいけど役者さんの動きが少なかったのです。いつもならバシャバシャ入って若手がバンバン立ち廻る。けど、感染予防対策なのか、水しぶきをあまり上げていなかった。若手もほぼいない(笑)それが!弥次さん喜多さんが頑張って入ってます!バシャバシャしてます!ここは拍手で応援したくなりますよ。

そして、見応えが増したダンスバトル!弥次喜多と言えば大人数ものが定番ですが(笑)群舞やだんまり、トロロの立廻り。。今回の群舞もすごい人数で圧巻です。

ソロのダンス、ペアやグループ、ラストは全員で。これがまさにバトルでした。目立つ人に自然と目がいくのですよね。それは好みかとも思うけど、目がいくって大事なことだと思います。

ダンスと言っても日本舞踊です。が、どれもスピードがあり、振りも斬新。曲もバラエティに富んで、ウエストサイドストーリー、小鍛冶、京鹿子娘道成寺、吉原雀、供奴。。あとの曲は何だろうか。猿之助さん幸四郎さん二人で踊る場面もあります。

もう目が足りません!群舞が圧巻!美しく揃って感動でした。これは千穐楽近くはものすごくなりそう。だけど、三階から見えたものが見えない(笑)ダンスバトルのシーンは幸四郎さん猿之助さんが一番後ろに座っていたり踊ったりことが多く、大勢が前にいるとあまり見えません。二階席以上から全体が見えるお席がおススメです。


無性に泣けたのが寿猿さんの語りの場面です。初日より泣けたなぁ。おおらかでユーモアがあって。歌舞伎っていいなと思うし、その一時代を供に過ごせている自分が幸せだとあたたかい気持ちになる。先人たちは生きている役者さんの中に生きていて、それは脈々と続いていく。92歳の寿猿さんも希望の光だなと思うのです。それにあのBGM。ワンピースを想い、熱いものがこみ上げてきました。

終盤は、お家再興ならぬ歌舞伎座再興に向けて弥次喜多が真面目に頑張り、やっぱりラストは天照大神のキラキラ笑也さん登場でハッピーエンド。

ハッピーエンドと言えば「歓喜の舞」なわけですよ(笑)「新版オグリ」のラストでお客も役者さんと手踊りした曲!また一緒に踊れる幸せ。最高です。この日の私の注目は幸四郎さん。歓喜の舞が完璧でした(当たり前ですが笑)オグリメンバーもしっかり見ました。隼人さん新悟さんがエスコートして笑也さんがセンターというのも泣ける。

そこからの宙乗りはやっぱり幸せ。

弥次さん喜多さん、帰ってきてくれて有難う。
明日も楽しもうと思うことができます。

歓喜の舞とは何?という方は下の記事をお時間あります時にどうぞ。

aya



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