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艪清の夢~ファンタジー~

大河ドラマ「鎌倉殿の13人」は今週も面白かったです。
なんと来週の予告に文覚役の猿之助さんが!汚い!(笑)そんなに汚くしなくてもと思うくらいになってる。「龍馬伝」の香川照之さんと争えますね。さすが従兄弟同士です。とにかく登場が楽しみです。 

さて、最近またアメブロを更新し続けている幸四郎さんが出演する第二部「艪清の夢」のお話です。

幸四郎さんのこういう、ふわっとした感じが大好きです。ゆったりリラックスして観ることができました。ゲラゲラ笑うというより、クスクスっと、ゆるゆるっとなれます(笑)

本来は「邯鄲枕物語(かんたんまくらものがたり)」通称「艪清の夢」

私は2014年明治座で幸四郎さんが染五郎時代に復活させた時に拝見しています。面白くてリピートしました。その時、本興行では明治38年(1905)の明治座公演以来の上演。幸四郎さんは、平成5年(1993)九世澤村宗十郎さんの「宗十郎の会」で観たそう。

’邯鄲(かんたん)の枕’という中国の故事があります。邯鄲とは土地の名前。盧生(ろせい)という青年が邯鄲で枕を借りて、食事ができるまでの一時と思い眠ったところ、成功したり苦境にあう自分の長い人生の夢を見る。しかし目覚めてみると食事の用意がまだできていない、ほんの一瞬の間の夢でした。

栄枯盛衰の儚さを表す故事です。

歌舞伎のストーリーはこれをベースにファンタジーな世界になっています。青年の盧生を、船の艪(ろ)を作る江戸の職人、清吉に置き換えています。略して艪清(ろせい)です。

私が好きなのは、清吉の幸四郎さんが眠っている夢の中。
現実ではお金がなくて困っている清吉です。夢では、お金がありすぎて使い道に困り(笑)、欲しくないのにどんどん大金持ちになっていく。

幸四郎さんだけでなく、出演者全員がユーモラスで楽しい。特に錦之助さんは、影も形もなくなっているほど体を張ってます(笑)最初は誰だかわからなかったです。幸四郎さんのblogによると、お稽古時のご本人の案が採用されているとか。普段は二枚目が多い方ですから、やってみたかったのかな?と妄想も楽しいです。

歌舞伎のパロディが多く登場します。
幸四郎さんが「吉田屋」の伊左衛門になる瞬間の切り替えにキュンとしました(笑)やはり二枚目スイッチが入るとこの方は観る側をドキッとさせますね。

青と白の伊左衛門のお衣装がまたいい!明治座の時も惚れ惚れしました。今回もいい。前回は実際に九世宗十郎さんがお召しになっていたものと聞きました。今回はどうなのでしょうか。

孝太郎さんの梅ヶ枝も素敵ですし、とってもチャーミングな女房おちょうも可愛い。まわりの皆さんが芸達者で楽しい夢の世界でした。

人生は一瞬。
今を精一杯楽しく笑顔で過ごそうじゃないか。

そう感じました。

ファンタジーと言えば、
今月は三部の「四の切」も子狐が両親を思い忠信に化けて現れるファンタジーです。桜吹雪の中を翔んでいく猿之助さんはとても幻想的です。

そして。。拝見していませんが、一部で初お目見えの陽喜(はるき)くん。獅童さんのお子さんです。陽喜くんは現実世界のファンタジーかと。歌舞伎の明るい希望、夢なのです。

今月の各部はファンタジーで繋がっていると勝手に納得しています(笑)

こういう初春公演も好きなだぁ。


aya


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