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宙乗りなら猿之助

今日、14日から1月歌舞伎座のチケット一般発売が始まります。

「壽 初春大歌舞伎」1月2日が初日です。
猿之助さんは第三部、通称’四の切’と言われる「義経千本桜 川連法眼館の場」に出演なさいます。澤瀉屋と言えば四の切です。もちろん三代猿之助四十八撰の内の一つです。

今回の上演はファンにとっては格別です。猿之助さんが四の切の狐忠信を演じるのが、大怪我をしてから初めてだということ。澤瀉屋の四の切は、音羽屋とは違いケレン味が強いのです。腕への負担が大きい場面もあります。外科的なことがOKでも、精神的な踏ん切りがつくまで本人の気持ちを考えると苦しくなるほど。

この四の切がかかる日を私は待っていました。狐忠信を演じる時が本当の猿之助復活の日なのだと。怪我からの復帰公演は節目節目であったけれど、やはり四の切で完結するような気がしています。そして始まる。

もし疫病が無かったら、上演はもっと早かったかもしれませんが、きっと今が最高のタイミングなのだと信じています。

歌舞伎座が建て替わり、今の歌舞伎座で最初に宙乗りで翔んだのも猿之助さんでした。それが2016年6月。

花道七三からグングン上がり、三階席の鳥屋まで翔んだ姿が今でも忘れられません。ワイヤーが緩そうでヒヤヒヤしたけど(笑)その後、改良されたりして、貢献度も高いと思っています。

↑の写真は、当時の報知新聞の一面に載った記事です。猿之助さんは歌舞伎座初ということに対して「宙乗りなら猿之助と言ってもらえたようで嬉しい」と答えています。宙乗りと言えば猿之助さんですから。滞空姿勢の美しさ、ゆっくり進むけどお客を飽きさせない工夫とか。ひと味違うのです。

↓の写真は一階席から三階席の鳥屋を観た角度。黒いボックスがそれです。けっこうな高さと距離があります。歌舞伎座は三階の客席を一部つぶして鳥屋を設置するのです。

宙乗りがある時は三階席もおいしい席になります。猿之助さんが側まで来てくれる(笑)これはヤバイくらい楽しいのでクセになります。叶うなら三階席の中央より少し下手寄りで観てほしいです。

↓三階席の通路。猿之助狐が翔んだあと。桜吹雪で夢のあと。

「一生やり続けたい」猿之助さんは言いました。私も生きている限り見続けたい。無事に幕が開くことを祈っています。一人でも多くの方が劇場で夢の世界に浸れますように。

aya

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