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猪八戒 千穐楽!

六月大歌舞伎 千穐楽おめでとうございます。

全ての部の幕が無事に下りました。第一部を観劇しました。梅雨明けと重なり、夏歌舞伎の到来を感じさせる熱い舞台でした。

昨晩、猿之助さんがInstagramで劇中の早替りの舞台裏を公開してくれたおかげで泣ける泣ける(笑)それを見ていただければわかると思いますが、なんでここまでするのだろうと胸がいっぱいになるのです。めちゃめちゃかっこいい。

インタビューで最近の活躍について「命を削ってます」と言っていました。まさに。これまでも、今も、命がけな姿に劇場に足を運ばずにはいられなくなるのです。


今日の猪八戒は最高に盛り上がりました!こんなエキサイティングな千穐楽は久しぶり!猿之助さんは攻め続けていました。それがお客にも伝わるから、お客も熱を帯びてくる。

幕開きの「寿猿さんを囲んで」の場面。これがなければ澤瀉屋ではないのです。毎回、癒されていました。そこから琴の音色で一気に世界に引き込まれます。

役者さんと竹本の語りがさらに一体化していました。以前は、猿之助さんを見たり、葵太夫を見たりしていました。今日は猿之助さん猿弥さんから声が出ているような錯覚に陥りました。太夫や奏者の皆様を見なかったのは、世界観として当たり前に、耳に入ってきたからだと思っています。

童女の踊りの後半、二胡の演奏で踊りがスローになる場面。ゆっくりな振りが美しいけど、体力的に大変そう。そこから足拍子をきっかけに調子が変わって激しくなるところがすごかった。ラストに向けて何回かする跳躍も全く高さが衰えない。しかも高いし滞空時間が長い。

ヘトヘトなのが伝わってきます。でも諦めず集中を繋いでいたよう。何度も顔が歪んでいたのは、きっと汗が目にくるからかと想像していたのですが、わりと珍しいことだったかと。大技に入る前に勢いつけてるのもわかるし、本人がインスタでも言っていますが、得体の知れない声が呼吸とともに出ていた頻度も上がっていました。

そんな姿に、涙は出てくるは、変な声が漏れるわで私も大変でした。拍手をガンガンするのは好きではないけど、今日ばかりは、せずにはいられません。

青虎さん右近さんはとても冷静に見えました。右近さんの如意棒回しがエンターテイナーになっていたのはびっくり。孫悟空もいいけど、笑也さん笑三郎さんと同じ京劇の姿が観てみたいです。

そして、アクションチームの4人!すごいチーム感。猿之助さん方と呼吸が合って気持ちいいシーンになっていた。高速な連続技は歌舞伎座では新風でした。また歌舞伎座で観たいです。待ってます。

立廻り全体が攻めていて、特に喜楽くんは、本当に猿之助さんたちの真上を飛んでました。すごい!

ラスト、猿之助さんは意識あるの?みたいな感じに見えて胸がいっぱいになりました。三段の上の見得で「はっ!」と大きな地声が出てたし。出ちゃったのかな。もうその瞬間にさらに泣いた(笑)

私が観た千穐楽で、一番やり切った感があり、精も根も尽き果てた猿之助さんでした。今までは見た目が飄々と淡々と終わることが多かったと思う。感情爆発。。というとちょっと違うのだけど、こんなに感情をさらけ出しているのを見るのは珍しいかも。

浅草歌舞伎出演ラストと思ったカーテンコール、亀治郎の会ファイナルの連獅子とカーテンコール、ヤマトタケルをやり切った時のカーテンコール、ルフィの復帰もかな。

そうそうたる思い出の場面に今日は並ぶかもしれない。いやいやいや。。並ぶけど、全く新しい猿之助さんだったように思う。戦っているように必死に踊る姿。。。猛優と言われた先代すら本興行でかけなかった激しい踊りを全力でする必死さを見せてしまう猿之助さんが、何だか新鮮に思えました。

幕が下りても拍手はやまず。かなり長く拍手が続いたけど私は余韻の中にいました。踊った後は「吐きそう」と言っていたのを妄想しながら(笑)全ての方に感謝が伝われば嬉しい。

やっぱり猿之助さんの踊りは最高!しかもクルクル表情が変わるユーモラスなものは私の大好物です。幸せでした。

劇場を出る人たちの高揚感がたまらない。猿之助さんは皆に魔法をかけてしまうのですよね。

猿之助さんのInstagramを貼っておきます。
何回でも見てくださいませ。

aya


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