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2012年四代目猿之助襲名と成田屋

2日間行われました「十三代目 市川團十郎白猿襲名披露記念 歌舞伎座特別公演」の幕が無事に下りました。いよいよ7日から歌舞伎座で二か月間、新團十郎さんの襲名披露、新之助くん初舞台の興行が始まります。

特別公演は「手打式」があり、大勢の歌舞伎役者が列座しました。ニュース映像で拝見しました。猿之助さんは新之助くんの後ろあたり前列にいらっしゃいました。お隣は幸四郎さん愛之助さんでした。何だか「三谷かぶき」を思い出す三人の並びに勝手に嬉しくなりました。

このタイミングで、劇場指定の関係者、限定2名という制限付きで大向うが復活しました。まだ素人は禁止です。私も早く聞きたいなぁとワクワクしています。

襲名公演の華やかな雰囲気が大好きです。何度かその節目に立ち会えていますが、中でも四代目猿之助襲名の思い出は宝物です。応援している役者さんの襲名に立ち会えることは奇跡だと思います。久しぶりに当時の筋書を手に取って
読んでみました。

10年前の2012年6月7月、澤瀉屋三人同時襲名&初舞台の興行が行われました。二代目猿翁、四代目猿之助、九代目中車、そして五代目團子初舞台です。

以前から亀治郎さんは、一生「亀治郎」のままでいいと発言していたので、私にとってはまさかの襲名で驚きました。先代猿之助は立役だったので、女方の亀治郎さんを観る機会が減ってしまうのか。。などなど個人的な心配も多かったです。実際、襲名公演後はしばらく立役が多かったように記憶しています。女方のお役がきた時は歓喜でした(笑)

二か月間の襲名興行はとても豪華でした。

6月は藤十郎さん秀太郎さんが列座。口上は、猿翁さんを中央に、上手に猿之助さん段四郎さん藤十郎さん、下手に中車さん團子くん一門の皆様。下手には秀太郎さん、寿猿さん竹三郎さん門之助さんも並んでいました。

7月は市川宗家が出演なさいました。團十郎さん(先代)と海老蔵さん(新團十郎さん)。口上は猿之助さん中車さん團子くんと5人だけで行われました。

厳かで、でもどこかアットホーム。私の記憶は團十郎さんの作る劇場の雰囲気。筋書を読んでいると劇場の空気が脳内に甦ってきました。

共演もしています。「将軍江戸を去る」では中車さんが團十郎さん海老蔵さんと。「黒塚」では猿之助さんが團十郎さんと。「楼門五三桐」では猿翁さんが海老蔵さんと。

特に「黒塚」は貴重でした。市川宗家が出演するのは初めてのこと。さらに猿之助さんも初役。澤瀉屋と言えば、四の切、黒塚、スーパー歌舞伎。その三つをこの襲名公演に全て入れて臨み、その一つを市川宗家が共演するのを目の当たりにできたことは今思うと本当に幸せなことでした。

團十郎さんは高僧’阿闍梨祐慶’役でした。その存在感はとてつもなく大きく、鬼女になった猿之助さんが弱っていくのは、團十郎さんの念のせいだと本気で思えるほど圧倒的でした。もう一度拝見すること叶わないのが残念です。


筋書の團十郎さんの言葉「襲名は、日本独自の文化のかたちの表れです。周りの方々に助けられてできるもの。。」今回の手打式で歌舞伎役者が一堂に会した様子を観て胸が熱くなりました。大きな家族のような歌舞伎の世界が好きですし、憧れます。これを機に、さらに歌舞伎界が団結して盛り上がることを願っています。

歌舞伎座で新團十郎さん新之助さんが同世代と共演する姿をもっと観ることができたら嬉しい。


aya


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