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猿之助さんの「荒川の佐吉」

朗読劇「天切り松闇がたり~闇の花道~」は今日の大阪公演1回です。無事に行われ盛況でありますよう願っています。

今回の朗読劇に急きょ出演することになった澤瀉屋一門の猿くん。久しぶりにお姿を拝見できました。学業が忙しいそう。16才って高校生ですよね。

猿之助さんと共演している様子に過去の舞台をいろいろ思い出していました。子役として本名で出演している時も見ていますが、澤瀉屋に入り、猿くんとなった時は嬉しかったし、勝手に親近感も抱くようになりました。

中でも猿之助さんが佐吉を初役で演じた2016年の「荒川の佐吉」は印象深く覚えています。

任侠ものです。元大工でやくざになった佐吉が、親分の娘が生んだ目の見えない赤ん坊の卯之吉を大工仲間と育てることに。時は経ち、佐吉は親分になり、卯之吉は立派に育ちます。あることをきっかけに、佐吉は何が卯之吉にとって一番幸せなのかを決断します。

猿之助さんの佐吉が夜の橋で泣く赤ん坊をあやす様子、大きくなった卯之吉に添い寝する姿。愛情溢れる子煩悩な佐吉が私は大好きでした。

卯之吉役は猿くん。佐吉の大工仲間、辰五郎役は巳之助さん。男二人で卯之吉を育てるのです。猿之助さん巳之助さんコンビもよかった。

桜満開のラストシーン。

卯之吉の頬に自分の頬を寄せる佐吉。頬から頬へ愛情が伝わっていく。その愛情が浸透していくように、猿くんの表情も想いが次第に溢れてくる。

花道で猿之助さんの涙が光りました。
「やけに散りやがる 桜だなぁ」
とても江戸っ子らしい粋なセリフに私も涙しました。

2017年猿之助カレンダーにはその時のお写真があります。これを見ているだけで幸せになります。猿くん10才かな。

詳しいストーリーは、四月大歌舞伎 第二部で幸四郎さんが「荒川の佐吉」をなさいますので、是非、ご覧になってください。卯之吉役は誰だろう。辰五郎役も重要です。

私はこのお話を最初は仁左衛門さんで拝見しました。辰五郎は幸四郎さん(当時は染五郎)。ちなみに卯之吉は千之助くんでした。そして、その幸四郎さんが佐吉を演じて、亀鶴さんの辰五郎でも拝見しています。

話を知っていても泣けます。それに江戸言葉がポンポン飛び交い気持ちいい。猿之助さんは優しく強い、愛溢れる佐吉でした。

また佐吉に会いたいです。

aya


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