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◆DAY83 ウィーンでタンゴ①海外ミロンガデビュー

*2019年11月9日*

不思議ななりゆきで、今ひとりでウィーンの街にいる。

義母と巡るつもりだったポーランド・ウィーン6日間の旅。
楽しみにしていたら、なんと前日に義母が発熱でダウン。
「あやちゃんにまでキャンセルさせるのは可哀想だから」という義母の言葉に甘え、私だけ行くことになってしまったのだ。

仕事の関係で別行動の夫とはクラクフで合流するものの、ウィーンではひとり。

義母には申し訳なく思いつつも、すでにウィーンをどう有意義に過ごそうか、考え始めていた。
瞬時に頭に浮かんだのは「ミロンガに行けるかもしれない」ということだった。

ウィーン滞在期間は丸二日しかない。
クラクフ発の便で8日昼に着き、10日夕方便で帰国するから、チャンスがあるとしたら9日の土曜の夜。
(8日夜はオペラを予約していた)

慌ただしく荷造りをしながら、ウィーンのその日のミロンガ情報をググると、「Milongas In Any City 」という世界の街のミロンガ情報サイトを発見。

東京みたいに夜な夜な多数のミロンガがあるわけではないようで、候補に上がってきたミロンガ情報は2つだけ。
(ほんとうはもっとあるのかもしれないけれど、情報が少なかった)

1つは、ホテルからかなり遠いので除外。もう1つはウィーンのシンボル、シュテファン大聖堂の近くで、ホテルから歩いて15分ほどの場所にあった。行くならここ、と目星をつけた。

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そうして迎えたウィーン2日目。朝からごりごり観光し、夜は18時から予約していたレストランでウィーンの伝統料理を満喫。

19:15過ぎに食事が終わり、ホテルの部屋に一度戻ると、疲れがどっと出てきた。少し仮眠することに。

眠い、疲れた……。

ふだん旅行に行っても1日めいっぱい観光するということがあまりないから、体がボロ雑巾のよう。

ミロンガ……行きたいけど疲れているし踊れるかどうか。
そもそも、外国のミロンガにひとりで突撃するのはやっぱりちょっと怖い。
慣れ親しんだアジアのどこかならまだしも、いきなりハイソなウィーンなんて。白い目で見られるかも……。

でもこのまま眠るのはもったいないから、ミロンガは諦めてワインバーに行こうか。
(念の為、ホテルのコンシェルジュで女ひとりでも大丈夫そうなワインバーを聞いていた)

あるいは、ここは無理してでも両方行っちゃう?

ワインバーとミロンガの場所、めちゃ近いじゃん。
これは、両方行けるよ、という神様のお告げかも。

でも、かなり疲れてるし、酔いが回って異国の街でへろへろになったら?

そもそもミロンガでは荷物の管理も心配だし……
ロッカーとかあるのかなあ。どうしよう……。

頭のなかで堂々巡り。

うーん。
とりあえず1時間くらい休んで考えよう。



はっ。
時計を見ると、あっという間に21:15!
やばい、1時間半も寝ちゃった。

第一候補だったワインバー(ホテルのコンシェルジュいち推しのところ)の営業時間を確認すると、22時閉店。

うーん時間がない。
でもやっぱりこのまま寝るのは嫌だ!

別の遅くまでやっているワインバーに行くか、あるいは……

まだうじうじと迷ってはいたものの、時間が遅くなると怖いので何はともあれ動き出すことにした。
とりあえずタンゴも踊れる万能ワンピースに着替えて、貴重品は最小限に、タンゴシューズだけひっつかんで外に出たのが21:30頃。

遅くまでやっているワインバーもシュテファン大聖堂の近くだし、歩きながら考えよう。
.
.
その10分間で思ったのは‥‥‥というか再確認したのは、
やはり「今、この瞬間を後悔しないようにしよう」ということだった。

今回、偶然ひとり旅になって、こうして夜のウィーンをぷらぷら歩いている。大げさかもしれないけど、こんなシチュエーションはもうないかもしれない。
(少なくともウィーンの街では)

ワインバーなら、誰かと次に来ても、きっと行く機会がある。

でも、ミロンガは???

よし、覚悟は決まった。


②へ続く


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