彼女の願いを聞いた折り鶴

彼女は折り紙が大好きだった
色とりどりの紙で
動物や花や星を作っていた
彼女の部屋は絵本の世界
折り紙の作品でいっぱいだった

彼女は病気になった
入院しても
折り紙をやめなかった
毎日ベッドの上で
千羽鶴を折っていた
願いが叶うと信じていた
元気になって
また外で遊びたかった

彼女は一生懸命に鶴を折った
一羽二羽三羽と
すばやく形になっていった
彼女は鶴に名前をつけて
話しかけていた
鶴は彼女の友達だった

彼女は千羽鶴を折り終えた
最後の一羽を折り上げると
彼女は満足そうに微笑んだ
彼女は鶴にありがとうと言って
目を閉じた
そのまま眠りについた

彼女は目覚めなかった
医者は心臓が止まったと言った
彼女の両親は悲しみに暮れた
彼女の友達も泣いた

彼女の部屋には千羽の鶴があった
鶴は彼女の願いを聞いていた
鶴は彼女を助けたかった
でも鶴には力がなかった

鶴は一斉に羽ばたいた
鶴は空へ飛んだ
鶴は彼女を連れて行った
鶴は彼女に外の世界を見せた

彼女は笑った
彼女は幸せだった

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