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魅力的な仄暗い百物語

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自身の創作したホラー小説です。 深みとヒネリのある傑作を集めました。 宜しくお願いします。
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【創作都市伝説】神社の巫女の怪

👍自作の、画期的な創作都市伝説です。 おそらく画期的なエンターテイメントです。 どうぞよろしくお願いします🙇 私はある日、友達と一緒に近くの山にキャンプに行きました。山の中には古い神社があり、その近くにテントを張りました。 夜になって、焚き火をしながら話をしていたとき、突然、神社の方から鈴の音が聞こえてきました。私たちは不思議に思って、神社に行ってみることにしました。 神社に着くと、鳥居の前に白い着物を着た女性が立っていました。彼女は私たちに気づかないようで、鈴を振りなが

【百物語】幸運をもたらすもの

ある日、中年のサラリーマンが自殺した。死んだのは、高田一良、45歳の会社員だった。高田の部屋からは、自筆の遺書も見つかった。 刑事の前田は現場検証に訪れた。 「この手の仏さんは、いつ見ても壮絶な顔していますね。」 運ばれていく死体を見ながら、前田の後輩の今井が声をかけた。 遺書に書かれていたことは、三年前に交通事故で娘を亡くし、妻にも病気で先立たれたことが、高田の心に大きな衝撃を与えたらしい。彼の人生は、娘をなくした三年前から転落の道をたどっていたようだ。 「この年でマイホ

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【百物語】携帯電話

 帰宅途中、電車を乗り換えようとすると、どこかの駅で人身事故があったとかで、電車が止まっていた。駅は人であふれ、雨が降っていて、まとわりつくような蒸し暑さだった。おれは駅を出て、食事をし、本屋で文庫本を買って喫茶店で半分ほど読んでから駅にもどった。二時間ほど時間をつぶしたことになるだろうか。ダイヤは乱れたままだったけど、電車は走っていた。なんにしても都会の交通機関はこういう場合には強い。その時間の乗客のかなりの数は、今日、どこかで人身事故があったことさえ、気づいていないだろう

【百物語】成仏?

「さあ、夏も終わりということで、次のコーナーは恒例の超常現象対決シリーズです。  高槻教授、葱沢編集長、よろしくお願いしま~す」 「今日はもう、教授のために珍しい写真を持ってきましたよ」 「あ~、もう、やだやだ」 「これ、海水浴場なんですけどね、毎晩、浜辺に出るんですよ~」 「なに、これ? ただのストリーキングじゃないのっ!」 「よーく見てくださいよ、足元が写ってないでしょ」 「光線の関係かなんかでしょ。  だいたい、あんたね~、ここ、モザイク入ってるでしょ!  TVだから

【百物語】闇のレストラン

 私は食べ歩きが趣味だ。美味しいものを食べると本当に幸せな気持ちになれる。友達は皆結婚してしまうし、付き合っていた彼氏にも振られたばかりで、一緒に食事に行く相手がいなくなった私はインターネットで食べ歩きに付き合ってくれる人を探した。  友達募集サイトでグルメ友達を募集したら何人からかメッセージが送られてきたが、自分と同じような境遇の絵里を相手に選んだ。年齢も同じだし住んでいるところも近かったし、なにより私と同じように恋人に振られたばかりというのに共感がもてた。  私たちは

【百物語】貯金箱

「じゃあ、おじさんに本当の事話してくれるね?」 「話したら、タイホはしないんでしょ?」 「ああ、約束するよ」 「じゃあ、いいよ」 「さいしょはお母さんだったの。  かいものに行ったときに、おかしを買ってくれなくて、  でもぼくはちょきんばこを持っていたから、  そこからお金を出して買おうとしたの。  そしたら、お母さんはおこってぼくのちょきんばこを  とり上げようとしたの。  ボクが店をとび出してにげようとしたら、  お母さんがおいかけて来るから、  

【百物語】風のサブリミナル

いきなり襲ってきた影に不意を突かれ、僕の右腕に激痛が走った。 その痛みを堪えながら、足元に置いていた護身用の鉄パイプを握る。 焚き火に照らされた相手は、全身を覆い隠すマントのような布きれをはおっていた。 同じように鉄パイプを握っている。 息をつく間もなく、再び飛びかかってきた。 すでにこの世界に秩序はない。 ほんの些細な事から勃発した戦争は一時的に世界を混乱に陥れた。 しかし、戦勝国と敗戦国が決まった時点で終息すると思えた騒乱は、なぜか様々な争いを誘発させたのだ。 人種差別

【百物語】かごめかごめ

かごめかごめという歌の歌詞で、「後ろの正面だあれ?」という部分がある。その歌詞は奇妙である。それは、後ろの正面などという場所は存在しないからである。その歌詞は、歌うものを、これでいいのかと混乱させる。それは、子供ならなおさらだろう。そのため、歌詞のその部分を言い間違える子供は多いようだ。この話は、そんな歌詞の間違いに関する話である。 ある日、子供たちがかごめかごめをして遊んでいた。しかし、何度も歌詞を間違える子供がいた。 「後ろの少年だあれ?」 「あー。また崇ちゃん、少年っ

【百物語】悲劇の童話劇

「あるところに兄妹がいました。おとうさんとおかあさんは早くしてこの世を去ってしまい、今では兄と妹だけの生活でした。兄は妹の面倒をみるために、朝早くから夜遅くまで森で狩りをし、妹は家の用事を全部していました。二人で一生懸命生きていたので、貧しいけれど楽しい毎日が続いていました。森から帰った兄は、妹の笑顔を見れば疲れが吹っ飛びましたし、妹も森であった出来事を兄から聞くのが楽しみでした」  眠くなってきた?いい子ね。ママはまだここにいるわよ。 「そんなある日のことです。妹は、森

【百物語】言葉のサイトで

 私は趣味でオンライン小説を書いているのだが、最近スランプというかなんというか全然書けない状態で困り果てている。趣味で書いている程度だから別に書けなくてもいいではないかと思われるかもしれない。しかし何の因果か一度小説なんかを書くようになってしまった身にとって一行も書けないというのは、まるで自分の中の何かが失われてしまったように感じられるのだ。  小説が書けないのは刺激が足りないのではないかと思い、次から次へとジャンルを選ばずに映画を見たり本を読んだり音楽を聴いたり、苦手なスポ

【百物語】金縛りの夜、脱力のその後

 急に、ぽっかりと目が覚めた。  もちろん、まだ真夜中なのはすぐに分かった。一応、腕を伸ばして枕元の目覚ましを手にして時間をみると、時刻はやっぱり午前 2 時 5 分前。  ベッドに入った時間が、11 時過ぎだったから、まだ 3 時間も寝てない計算になる。  まだこんな時間だってのに、こりゃまた妙にすがすがしく目が覚めちゃったなぁ……  時刻が分かると、次に部屋の様子が気になってきた。タイマーをセットしておいたので冷房はとっくに運転を止めてしまっている。部屋の中は気にする程で

【百物語】不幸の自動販売機

 高校まで過ごした街に、実にいやな感じのする自動販売機があった。住宅地を東西に伸びる比較的車通りの多い市道の脇に、それはぽつんとあった。それ自体は何の変哲のないジュースの自動販売機なのだけど、ならぶジュースのメーカーがばらばらで、どこかうらびれた雰囲気があった。市道はその前でゆるやかなカーブを描いていて、よく自動車の事故があった。  高校からの帰り道から外れていたのだけど、親しくしていた同級生の家が付近にあり、帰宅時に一緒になると、その道を通って、同級生と別れた後、一人でその

【百物語】駅のホーム

 ええ。そうですね、本来見えないものが見えたりします。昔からなんで、今ではよっぽどの事がない限りは驚く事も少なくなりました。  え? はい、どこででも。至る所。大体ああいうのは、どこにでもいるんです。例えば、街を歩いていても出会いますよ。歩道をすれ違いさまに「あれ、あれって?」ってカンジだったり。学校も多いです。あと、デパートとかも…… *  最近では、こんな事がありました。  私は JR で学校に通っているんですが、I 駅のホームの一番端には行かないようにしているんです。

【百物語】テレビの砂嵐

「ねえ、この砂嵐を三十分見てたら死んじゃうって話聞いたことない?」  智美は、放送が終わり、ノイズだけを映し出しているテレビのブラウン管を指さして祐子に訊いた。 「うちらはテレビの中に引きずり込まれるって言ってたけど」  つい先刻まで、祐子の家に何人かの友達で集まって飲んでいたが、夜が更けるにつれ、一人二人と帰りだし、今残っているのは智美だけだった。 「よし、どうなるか挑戦」  智美はそう言って、砂嵐のノイズが吹き荒れるブラウン管を凝視しはじめた。 「あほか。目悪くなるよ。私