Twitter詩「閉口世界」

今更口にすることなんて何一つない。

心も体もすべては水晶体でできており、

無意識にでも人は光を撚り集める。

 

蒐集を繰り返していく。

すべてが透りすぎていく。

それを簡易的に人生と呼ぶのだから、

やはり口にすべきことはない。

 

泳いでいるもの、光っているもの。

枯れていくもの、褪せていくもの。

百年も前に通り過ぎて、それでも止まらなかった列車は、

空へと昇っていくことができなかったもの。

永遠の環状線を巡って満足しては、

感情の膿を作っている。

そこから散った硝子片に傷つけられるのは、

いつの時代も少年少女。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?