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インド物語

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2009年
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#自由詩

インド物語-デリー⑧-

いつの間にかバッグに入っていた瓶について宿の受付の男に聞いてみた。こういうのをどこかで見…

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インド物語-デリー⑤-

どんなところにも約束事というのはある。いつから始まったのか誰にもわからない昔の約束事がま…

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インド物語-デリー③-

宿の近くには美味しいビリャニが食べられるレストランがあった。それは日本で食べるチャーハン…

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インド物語−デリー②−

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インド物語−デリー①-

世界にはよく似た場所がある。 私の故郷は広島県の端っこにあって、そこでは車を使って生活し…

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インド物語-アグラ11-

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インド物語−アグラ⑨−

コナン・ドイルに「四つの署名」という作品がある。財宝を巡る人間関係のもつれが奇妙な殺人につながっていた、という事件をシャーロック・ホームズが鮮やかに解決する話なんですが、そのなかにインドのとある城を舞台にした回想シーンがありまして。 その広大なアグラ城にやってきた私は城内を散策している間、ずっとその小説を思い返していた。 インドの上空を流れる雲を見て風の匂いを嗅ぎ、草が陽光に反射して眩む目線の向こうにシャーロック・ホームズの影を探して「あぁ、この台座で彼が佇んでいたんだな

インド物語-アグラ⑧-

長い通路を人の波にのまれながら進み赤土色の大きな門を抜けて眼前に広がるのはタージマハル。…

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インド物語-アグラ⑦-

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インド物語-アグラ⑥-

コーラの瓶を揺らしながら話しかけてきた男は雑貨屋の店主で各国の観光客から様々なワードを教…

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インド物語-アグラ⑤-

ホステルの向かいは雑貨屋だった。軒先には眼鏡をかけた痩せ型の男が座っていて、骨ばった手で…

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インド物語-アグラ④-

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インド物語-アグラ③-

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インド物語-アグラ①

バラナシからアグラに向かった。この頃になると少しずつ旅に慣れてリラックスしてきた。だからというわけでもないけどこの町に着くまでの前後のことはぼやけていて記憶がない。駅に着くと社会人のsと大学生のkと一緒にタージマハルまで歩いた。その道はヤムナー川に沿った幅の広い道路で綺麗に舗装されていた。路肩に生えた草は枯れていて車の往来の少ない曇った日だった。この町の唯一にして最大の観光地が墓であることと、死んだようにみえるこの一本道には何か因果関係があるのかもしれないな、と思いながら私は