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大家業3.0

今回は、僕が「不動産をホビーに!」の活動を通じて不動産賃貸の世界にどんなアップデートをしたいのか?をご説明するために、あえてそれっぽいタイトルをつけてみました 笑

別に3.0というワードを提唱したいわけではないので、そこはあまり気にしないでください。


これまでの大家業

たとえば不動産屋さんから、「大家さんはお隣のお宅にお住まいですよ。」と言われたときにイメージする大家さんって、なぜかおじいさんやおばあさんだったりしないないですか?

相続対策や土地の有効活用という名目で寄ってきたアパート建築業者からバラ色のシミュレーションを見せられて、30年一括借上げの契約書にサインして、先祖代々引き継いだ土地にアパートを建てる、みたいなのが典型的な大家さんのイメージだったりしますよね。


昔はこんな風に、大家さんといえば土地持ちの地主さん、ということが多かったと思います。この「地主の時代」大家業1.0

地主_2

最初は土地を持つ者だけに許されていた不動産賃貸業ですが、2000年に「金持ち父さん貧乏父さん」(ロバート・キヨサキ著)が出版されたことを期に、いわゆるサラリーマン大家ブームが到来します。

その後「消えた年金問題」で老後の不安を煽られることでさらに加速したブームは、リーマンショックにより陰りを見せるかと思われたものの、2013年の黒田総裁による日銀の異次元の金融緩和もあいまって、イケイケドンドンの様相をみせはじめます。


企業への融資や住宅ローンだけでは利益を出せなくなった金融機関が不動産投資家への融資を拡大し、サラリーマンでありながら十億円単位の資産を持つ「メガ大家」「ギガ大家」などが出現しました。

アベノミクスの金融緩和と、貸出先に困り不動産融資への比重を増やす金融機関の組み合わせによりマーケットが加熱した結果、かならず悪いことを考え出す輩が出てくるのは世の常です。


預金通帳の残高を改ざんしたり、銀行提出用に本来と異なる物件価格の契約書を作成して、フルローン、オーバーローンを受けたり。

契約違反行為や詐欺行為が「スキーム」の名のもとに横行した結果、かぼちゃの馬車事件やスルガショックが起き、お金に目が眩んだ不動産投資家と、それに目をつぶる金融機関の共犯関係は急に終わりを迎えることになりました。

この「サラリーマン大家の時代」大家業2.0


違和感の正体

いつか大家さんになりたいと願う僕の前に、この大家業2.0までの違和感が立ち塞がったことは、前回のnoteに書いた通りですが、この違和感の正体はなんなのでしょうか?

僕は、大家業1.0と2.0には共通して、そこに「物件を借りてくれる方に対する想い」がないという問題点があるのではないかと考えています。


シミュレーションの数字を見て、それなりに儲けが出そうなことだけ確認して、あとは業者に丸投げする地主系大家さん

ときには銀行を騙してでも、いい条件の融資を引くことと利回り、キャッシュフローを追求して、お金にはシビアなのにどんな方に借りてもらえるのかには興味を持たないサラリーマン大家さん


つまり、大家さんが見ているのは数字や自分の利益だけで、そこに暮らす、そこで働く方の幸せを一切見ていないように感じます。

こんな大家さんが提供する空間が日本のスタンダードだとすると、僕たちが住みたいと思える家なんて作られるわけがないですよね。


ホビー大家の時代

ホビー大家の時代

そこで!僕が提案したいのは、大家業3.0の世界を「ホビー大家の時代」にすることです。

「面白い物件を提供したいし、入居者さんにもそれを楽しんでもらいたい!」という意志を持ち、自らが不動産をホビーとして楽しむ大家さんが増える世の中を作れば、魅力的な物件はおのずと増えていくはず。


スルガショックによる融資環境の変化にコロナショックによる価値観の不可逆的な変化と、時代の変わり目となる今だからこそ、「賃貸ならこの程度でいいだろう」という大家さんの怠慢と、「賃貸だからこの程度で我慢するしかない」という借主の諦めの悪循環を断ち切りたい。

借主は賃貸物件にもっと多くを求めていいし、大家側も、自分のつくる物件にもっと誇りを持っていい。


不動産をホビーにして、楽しく不動産と向き合う大家さんが増えることにより、面白く、愛着の持てる不動産が増える時代を、大家業3.0と呼んでみたいと思います。


僕の大家仲間である仙六屋の茨田禎之さんが、「ラーメン業界がどんどん独自のやり方で味やサービスを洗練させているように、大家業界もラーメン業界を目指したらいい」と提唱していますが、まさにその通り!

今の時代になんのこだわりもないラーメン屋が存続できないように、借り手の舌が肥えることにより、数字ばかり見て自分の利益しか考えられない大家さんがつくる、魅力に欠けた物件では借り手がつかなくなる世界を、大家業界は目指すべきではないでしょうか?


「あの大家さんの物件見た?いつもヤバいの作るよね〜!」なんて具合に大家さんにファンがつく時代が、きっとやってくると思っています。

そのために!いろんなスタイルで不動産を楽しむ大家さんが増えてほしい


デザインセンスで勝負する大家さんだけでなく、ひたすらDIYにこだわる大家さんや、シェアハウスに自ら住んで住人と関わる大家さんや、貸し方がトリッキーな大家さんがいてもいい。

いいね!と思ったやり方はどんどん真似すればいいし、そこに自分らしいアレンジを加えてさらにアップデートしたっていい。


志ある大家さんが増えることにより、魅力的な賃貸物件が増える時代をつくっていくために、少しでもお役に立てればと思っています。

ではまた!


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