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Kindleに踏み切れない

本を読むのがすきだ。小さい頃からすきだ。1日で何冊か読んでしまうこともある。長い移動がある旅行や出張には3冊くらい持っていく。結構場所を取る。
マンガもすきだ。ワンピースがすきだ。在宅勤務を活かして1巻から95巻まで読み直して、むせび泣いた。ナミみたいなおっぱいを持って生まれたかった。

わかってる。Kindleを導入すればもっと楽になるということを。

実際、キングダムとかも超好きだけど、アプリでレンタルして読んだ。これもむせび泣いた。アプリで読むのは、普通に便利だった。別に紙がだいすき!紙じゃなきゃ読みたくない!というわけではないのだ。

だけどなかなか導入できない。なんとなくじゃない、明確な理由がある。それを説明するには、私がいちばん好きな作品の説明から始める必要がある。


わたしが今までも多分これからも、いちばん好きなのは、ハリー・ポッターシリーズだ。
あの分厚い本を、小学校の図書館で借りた時の優越感。夢中になって一気に最後まで読んだ時の達成感。読み終わって、呪文を小声で言ってみるときの嬉し恥ずかし感。たぶんわたしの読書好きは、ハリー・ポッターから始まった。

ハリー・ポッターシリーズを読んだことがある人は分かると思うけど、(というか読んだことない人は今からでもマジで読んだほうがいいと思うけど、)
ハリー・ポッターの本って、色んなフォントや色んな太さ、大きさの文字が使われているのです。

例えばこんな感じ。

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かわいい感じのフォント。これは遠くにあるものを自分の手元に飛んでこさせる呪文。今いちばん使えるようになりたいやつ。リモコンとかポテチとかティッシュとか充電器とか、全部ベッドにいるまま、呼び寄せられたらいいのに。たぶん1日の歩数がゼロになる。


そして多分いちばん有名な、死の呪文。

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おどろおどろしいフォント。禁じられている恐ろしい呪文。よくみるとわかるけど、6行目で呪文の説明をしてるところは、恐いフォントじゃない。つまり呪文を唱えていないのだ。くう、芸が細かい。


長々と話したけど、わたしはこの本の中にある、文字の演出がだいすきだ。映像が目に浮かんでくる感じがする。怒鳴り声やささやき声が耳元で聞こえる感じがする。ものすごい大事な演出のひとつだと思うのだ。

なのに、Kindleのハリーポッターは、フォントを変えてくれない。
これはわたしにとって致命的だ。

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左が本、右がKindle(サンプル版)。
ヘビの話し声のところのフォント、本を再現してくれてないことによって、わたしにとってすごく大きな違いがある。聞こえる声が全然変わる。もうぜんっぜん違うものになってしまうのだ。

「アバダケダブラ」を普通のフォントで書かれちゃった日にはもう、わたしの中でその呪文は人を殺せなくなっちゃうのだ。そのくらい、本の演出を愛している。

だからいつまでもKindleに乗り換えられない。
たのむよKindleさんよ。そこ大事にしていこうよ。その障害さえ乗り越えれば、あなたとわたしは結ばれる運命にあるんだ。


いつかKindleの能力がアップデートされて、わたしに正しいハリー・ポッターを届けてくれるようになるまで、わたしはKindleに乗り換えられないよ〜という話でした。






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