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「ihr Hertz」にBLの読み方を学ぶ

今、わたしのなかで最高に熱いのが「ihr Hertz」という大洋図書から出ているBL漫画雑誌です。

2020年5月号から気がつけば一年以上読んでいます。
読み始めは連載途中で筋が追えない作品が多かったのですが、3号4号と読み続けるうちに好きな作品が増えていき、2020年11月号を読み終えたときに、もしかしてとんでもない雑誌を読んでるんじゃないか、とおののいた次第です。

衝撃を受けたのが中川カネ子先生の『ワリキリ』。

『ワリキリ』は読み始めた号が1話だったのですが1話はほぼ男同士の無言のセックス(しかも激しい!)で、最初は、なんか、怖い!と思っちゃったのでした。
ところが、回が進むとほのぼのするシーンが増え、気づけば続きを楽しみにるようになり、最終回は早く読みたくて配信日を指折り数えて待ちました。
最初は怖いと思った作品だったけど、読んでみたら、めっちゃ純愛で、現代版『チャタレイ夫人の恋人』かと思いました。1話めでこの作品を怖いと思ってしまった自分の視野の狭さに愕然としました。
BLは1話めで判断してはいけない。という教訓を得ました。

『チャタレイ夫人の恋人』についてはこちらに書いてます。


そしてもう一作品衝撃を受けたのが絵津鼓先生の『メロンの味』。
(上下巻で2021年10月1日発売。電子書籍は4日以降発売!)

『メロンの味』は正直1年近く読んでも、何を描いているんだろう???、という感じだったのですが、ある回で、ああ!!と息を呑みました。
これ、描いてたのか……。とわかったときの衝撃。そして、まったく読めていなかった自分に対する衝撃もあって、しばらく言葉が出なかった作品です。
BLは最後まで読め。
これも教訓です。

雲田はるこ先生がインタビューでおっしゃっていたこと、最近何となくわかるようになってきました。

BLはですね、研究して、自分で踏み込んで、耕して、傷ついて(笑)、「ついに神作家さんをみつけた!」とか「今回は合わなかった!」などなど、自分の目と足で見つけなくてはいけないジャンル
大変に広大な大地なんですよ。人の数だけ萌えがあると言われますが、それに全部対応しうる数のBLが発行されていますから、自分で耕す力がないと、読めないですよね。

引用元はこちら

好きなBL作品は簡単に見つからない。時間も根気も必要である。でも、その労力に見合う喜びがある。

1話だけ読んで終わりにしていたら、素敵な作品たちに辿りつけませんでした。
「ihr Hertz」はわたしにとっては学校のようなもので、BL読む力を養ってもらったと思います。ずっと読み続けてほんとによかったと思います。

こちらの作品も「ihr Hertz」で知って、最近全巻購入!

それから「ihr Hertz」最新号では、わたしの人生を変えたといっても過言ではない里つばめ先生の新連載『DOGS dog eat dog』が始まってます。

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