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看護師を辞めた今、胸を張って伝えたいこと


大学時代の友人に会った。

わたしは大学時代、看護を学んでいて、それゆえ大学時代の友人の大半は看護師だ。病院は感染症対策がより厳重だが、コロナが終息を迎え友人たちにも普通に会えるようになってきた。


かく言うわたしも、看護師だった時代があった。
23,24歳の丸2年間、常に40人ほどの心臓病患者が入院する病棟に勤めていた。

テレビで見かける病人の壮大なドキュメンタリーは、看護師にとっての日常だ。
日々、患者の血や体液にまみれ、時に認知症患者からは罵倒され、力仕事に腰を痛めることもあった。患者家族の話を毎日根気強く聞き、どんなに深夜であろうと排泄物で汚染されたベッドを綺麗にした。人が亡くなる場面なんて、何度立ち会ったことだろう。
それが私にとっては日常の一コマでも、患者にとっては命がけの闘病。気を抜いてはいけない、緊張感のある現場で日々白衣を着て走り回っていた。


看護師は、患者と伴走するパートナーでもあり、患者の指導役でもある。
患者家族の相談役でもあれば、医師のパートナーでもあり、手足でもある。
コメディカルのまとめ役でもあり、患者退院後の自宅生活の陰の見守り役でもある。
そんなオールマイティを求められる看護師。


そんな壮絶な現場を、わたしは2年で去ってしまったのだが、大学時代の友人はまだまだ現役の子たちも多い。

食事の席。
会社員になったわたしにとって、病名や患者との奮闘話が飛び交う世界は、まるで海を越えた遠くの国の出来事かのように感じた。

ここまで非日常な世界に身を置いていたのかと思うと気が遠くなるような感覚を覚え、毎日弱音を吐きながらもよく頑張ったなと自分を顧みると同時に、友人たちに頭が上がらないと心から思った。


コロナ禍、「医療職者の皆さん、ありがとう」なんてよく言われたものだが、わたしは人一倍感謝している。辞めたからわかる、心から尊敬している。

会社員は看護師より大変じゃない、ということでは決してない。看護師を経験して会社員をやっているからこそ、どちらの良い面も悪い面も知っているし、何が大変なのかも身をもってわかっている。



でも、そんな今だからこそ、声を大にして言わせてほしい。
「看護師さんって、すごいんだよ!」



看護師として最前線で働いている方や、これから看護師を目指す方が、もっともっと誇りを持てる世の中になりますように。

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