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だいたい思惑どおりには行かないから、変化に対応できる家づくりを。

吉田(以下、よ) 今日はこれから家を建てようとしてる後輩の杉田を連れてきたよ。

杉田(以下、す) 杉田です。Webデザインの仕事をしてて、自宅兼事務所を考えてるんです。

よ) アドバイスしてやろうと思ったんだけど、いざ自分で話そうと思うとうまく説明できなかったから連れてきたよ。

村田(以下、む) デザインの仕事をしてる人に「カッコよさ」の口出しは無用だろうから、それ以外の部分で参考になる話ができるといいけど。
ちなみに「こんな家にしたい」っていう希望はあるの?

す) 部屋がたくさんの家より、家全体が一つの空間って感じがいいです。あと、土間とか縁側もいいなぁって思います。仕事場も兼ねるから、プライベート空間とのつながりとか、防音とかも気になりますね。

よ) 土間イイよなぁ。おれも今になって土間つくればよかったって思うよ。奥さんの希望は?それこそが重視すべきポイントだよ。

す) 妻は絵を描いたりするんで、床や壁の汚れを気にしなくていい、ちょっと余裕がある作業スペースを希望してます。

よ) なんか雑誌に載ってそうな家が目に浮かぶよ。で、なんかアドバイスある?

む) 家は部屋を組み合わせるより、一つの空間って考えはいいなって思うよ。家族で住む家だからね。もちろん最低限の仕切りは必要だけど、廊下なくても問題ないし、壁じゃなくてちょっとした仕切りでもいい場所もあるしね。そのあたりを考えるのが設計の仕事だよ。

す) そうなんです!子ども部屋も、子どもの数だけ必要なのかって思うし、うまく仕切るくらいの感じでいいのかなぁとか。

よ) 子どもはいずれ出てくからね。うちの実家なんか、2つの子ども部屋が今、2つの物置になってるよ。

む) 家を建てるときって、どうしても“今の不満”を解決したいって思うから、なかなか10年先、20年先のことを考えにくいよね。でも確実に家族の年齢や数は変わるし、暮らし方も変わるだろうからね。でも、それって正確に予測できるもんじゃないから、「予測」より「変化に対応できる」を考えた方がいいよ。

す) たしかに。。今は自宅兼仕事場って考えてるけど、10年後は外に仕事部屋を借りるかもしれないしなぁ。

む) ただ、「夏涼しく、冬暖かい」ってのはどんな家族構成になろうと変わらないニーズだし、年を取ればなおさら不可欠だから、その対策は大事。一体感のある空間ならなおさら、家全体を均一に快適にすることを目指すべきだよ。

す) なるほど。そうすればちょっとした間取りの変更なんかもしやすいですしね。

よ) 奥さんが作業するにしても、エアコンの強い風や、ストーブや扇風機みたいに床置きの機器がない方がいいだろうしね。

タコ足配線

む) ちなみに土間も場所や窓との関係を考えないと、夏は暑くて冬は寒い場所になっちゃうから、そのあたりは設計者とも相談しながらつけたほうがいいよ。

す) そうなんですね。どうしても間取りとか使い勝手に意識がいきがちだし、暑い寒いって図面からじゃわからないから、快適という前提で話しちゃうそうだけど、そこにどんな対策を考えてるのかもちゃんと聞く必要ありますね。

よ) ウチみたいに住み始めてからストーブや扇風機が増えてくようなことがないようにね(笑)


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