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【UX】有益な情報を発見するには?

情報の評価

現代は、とても便利な時代になりました。何か分からないことがあっても、Google  や Twitter、あるいは YouTube で検索すると大抵のことは出てくるからです。

1990 年代初頭のインターネット黎明期とも言える時代は、革新的な時代でしたが、現代のインターネットと比較すると、ひどく不便なものでした。当時は、まだインターネットに公開されている情報が少なく、検索エンジンもまだ未熟であったため、ユーザの期待する検索結果を得ることが難しい時代でした。

時代は進み、いつしかインターネットは誰もが使いやすい、情報に溢れたものになりました。誰もが情報を発信でき、そして誰もがリアルタイムに発信される情報にアクセスできるようになったため、今起こっている「世界」と簡単に繋がることができます。

しかし、量の増加は質の低下を招きます。インターネットに公開されている情報も例外ではありません。私たちは、インターネットにある情報には何かしらのプラットフォームを介してしかアクセスすることができません。プラットフォームとは、Google、Twitter、YouTube などです。増えすぎてしまった情報の中から、有益な情報を探すという行為は、砂漠の中から一本の針を探すようなものです。

有益な情報を提供することは、プラットフォーム側の仕事であるため、私たちは干渉することはできません。検索するキーワードを工夫する程度です。

それでは有益な情報は、どのようにして手に入れれば良いのでしょうか。それは、情報の「評価」によって手に入れることができます。ここでの「評価」とは、情報を適切に理解・解釈・分析する情報リテラシーを指します。

例えば、「ネットで簡単に稼げる方法」という怪しい情報商材があったとします。副業でお金を稼ぎたい人にとっては、魅力的な商材に見えるかもしれません。しかし、どれだけ魅力的な商材であったとしても、情報の審美眼がなければ、副業でお金を稼ぐどころか、情報商材を売っている人のカモになる可能性があります。

情報リテラシーによって情報を評価することは簡単ではありません。頭では分かっていても、様々な要素によって判断が歪められるからです。例えば、今すぐお金が必要な人にとって、すぐにお金を稼げるノウハウはとても魅力的に見えますし、時間的、肉体的、精神的、金銭的など、何かしらに切迫している状態では客観的な判断が難しい場合があります。

「情報」を使って騙そうとする連中は、その点について熟知しています。どのように振る舞えば、またはどのような情報をどのタイミングで見せれば、あなたを信頼させ、お金を気前よく払ってもらえるかをよく知っています。

口座残高を見せたり、株やFX、または仮想通貨などの取引結果などを見せたり、利益が出たかのように振る舞ったりすることです。何も知らなければ、こんなに利益を出しているのだから売っている情報商材も、すごいものに違いないと思ってしまいます。

客観的な判断を狂わせる原因のひとつに「確証バイアス」があります。確証バイアスとは、自分にとって都合のいい事実だけに注目し、それ以外の情報は軽視してしまう心理現象です。先入観や偏見、それらによってできた自分だけの判断基準などによって非合理的な判断をしてしまう認知バイアスのひとつです。客観的な判断をするためには、自分にとって不利である情報も平等に判断しなければなりません。

情報リテラシーは一朝一夕で身につくものではありませんが、目の前にある情報は本当に正しいのか、思考停止せずに一歩立ち止まって考えてみる癖をつけてみてください。

情報の検索と発見

インターネットに公開されている情報は、誰でも自由にアクセスできます。しかし、同じ Google を使っているのに、検索が上手い人と下手な人がいるのは何故でしょうか。

情報を検索するためには Google 、Twitter、YouTube などのプラットフォームを利用します。インターネットから目的の情報を検索するということは、真っ暗な巨大図書館の中から、ある本にスポットライトを当てて探すようなものです。

目的の本を探し出すには検索のスキルと専門性が必要になります。例えば、検索のスキルが高くても、専門性が低い場合は最適なキーワード(専門用語)が思いつかないなどです。

インターネットに公開されている情報を「検索」することはできますが、「探索」することはできません。現実世界で言えば、図書館で目的のジャンルのコーナーを探し回って、思いがけない情報が入ってくるなどです。Google は、検索のキーワード(クエリー)に合致した、あるいはクエリーの求める答えを表示するだけです。

それでは、多くの情報の中から良質な情報を検索するスキルを伸ばすにはどうすれば良いのでしょうか。一般的には ROT を排除すると良いと言われています。ROT とは、冗長な(Redundant)、期待はずれな(Outdated)、些末な(Trivial)の3つの頭文字です。

インターネットには情報が溢れています。そのため、目的の情報まで効率的にアクセスするためには検索空間を小さくする必要があります。これはビッグキーワードや、スモールキーワードなどとも呼ばれます。

例えば、京都に旅行に行く場合、「京都 ホテル」などで検索しても検索結果が多すぎて(検索空間が広い:ビッグキーワード)、期待した結果は得られないでしょう。しかし、「四条 ホテル 大浴場」などで検索すると期待した結果が得やすくなります。

しかし、専門性が低いと共起語(あるキーワードと一緒に使われることの多い言葉)に何を指定すれば良いかわからない場合があります。例えば「四条 ホテル」まで指定できたとしても、共起語の候補はまだたくさんあります。その中で、少しでも良いホテルに泊まりたい場合は、オートコンプリート機能やオートサジェスト機能などを利用すると良いでしょう。

最後に「検索」と「発見」の難しさについて説明します。インターネットには膨大が情報があるため、プラットフォームを介して検索することは前述したとおりです。私たちは、Google の検索結果品質のおかげで良質な情報を(検索スキルと専門性があれば)何でも検索できると誤解しがちです。しかし、私たちが検索できる情報はほんのわずかです。

検索結果は、ランキング形式で表示されますが、その 10 位に自分が本当に知りたい情報があったとしても、到達できる人はほとんどいません。多くの人は、1 位 ~ 5 位までのサイトに訪問し、それでも期待する情報がなければ諦めるか、クエリーを変更してしまうからです。統計的には 1 位 ~ 3 位までのサイトがトラフィックの多くを占めており、それ以降のサイトにアクセスするユーザは極端に少ない結果があります。

検索順位とクリック率

Google は、高品質な検索結果をユーザに提供するためにアルゴリズムを頻繁にアップデートしています。しかし、ユーザはランキングを深追いすることはありません。これが「検索」と「発見」を困難にしている心理的な要因のひとつです。

あとがき

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