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映画「フランケンフッカー」レビュー

電力会社に勤める若き天才科学者ジェフリー・フランケン博士は, 自分の発明した芝刈り機に恋人のエリザベス(元祖フランケン博士の恋人の名)を巻き込んで, 五体バラバラにして死なせてしまう。 だが彼は密かに特殊な培養液に彼女の頭部を保管していたのだ。
彼は彼女を蘇生させるに当たってヌードグラビアに載っていいる様な豪奢な肉体を求め, 貯金をはたいて「お医者さんゴッコ」と称して, 選りすぐりの娼婦8人の肉体のいいとこ取りの究極の女体を創造しようと言う腹なのだ。
だが娼婦8人を麻薬中毒にして死に追い遣る心算が特製の麻薬の効き目が強過ぎた故なのか, 8人の肉体が爆ぜ,肉塊と化してしまう。

ええいままよ。

バラバラになった8人の遺体を拾い集めて使えそうな部位を選りすぐって縫い合わせ, 最後にエリザベスの頭部を据えて,落雷による電撃を二度,三度と加え「フランケンシュタインの怪物」は蘇生する。
だがそれはエリザベス+8人の娼婦=9つの人格の融合したキメラであって, 9つの人格が何の脈絡もなく入れ替わり「生前の言葉」を繰り返すオウムに過ぎず, 金を取って男と寝るしか能がない上に,寝た男を電撃で爆殺する恐怖のフランケン娼婦(フッカー)だったのだ。 「彼女」は生前そうであった様に街角で客を取り始めるのであった…。

「原作」は「フランケンシュタインの花嫁」だとヘネンロッター監督は主張するがそんな生易しい代物じゃねえよ。
それでも初めは大人し目の出来かと懸念したが, 8人の娼婦が爆殺される件から監督の悪趣味大健在を猛アピール。
兎に角誰にも祝福されてない筈の「彼女」の佇まいが猛烈に格好良く,声援を送りたくなるから不思議だ。
終盤のてんやわんやの大騒動も悪趣味全開で大満足。
お勧めです。

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